青色LED灯を駅のホームに取り付けるだけで顕著な飛び込み自殺防止効果があることが、澤田康幸・東京大学大学院経済学研究科教授らの研究で明らかになった。

鉄道会社ではホームや踏切に青色LED灯をつける試みをしているが、自殺防止効果が確かめられたのは初めて。澤田教授らは、ホームに開閉フェンスを設置するより、安い費用で自殺防止が可能なことが確かめられたと言っている。

研究は、首都圏のある鉄道会社の駅71で2000年から10年までに飛び込み自殺がどれだけあったかというデータを基に行われた。71の駅のうち11は青色LED照明対策をしている。対策前後の自殺者数の変化と、青色LED灯のない60の駅の自殺者数を分析した結果、青色LED灯の設置後には自殺者数が平均して約84パーセント下落することが分かった。

駅や踏切での飛び込み自殺は、各国で大きな社会問題になっている。日本では、列車の運休や30分以上の遅延が2006年度に534件だったのが、2009年度には682件と3年間に3割近くも増えている。