サン電子は9月26日、インヴェンティットの開発したM2M遠隔管理プラットフォーム「Service-Sync」を標準搭載することで、管理センターなどから遠隔管理が可能となるクラウドサービス向けLinuxマイクロサーバ製品として、M2M Linuxゲートウェイ「Rooster-GX」の開発を開始することを発表した。

インヴェンティットは、リモート管理技術を核としたソリューションベンダで、Service-Syncを用いることで、複数台の携帯機器の一括アップデートなどのサービスを提供している。

今回、サン電子は同社と協力することで、M2Mクラウドサービスの本格化を見据え、ネットワーク越しにクライアント端末の管理や遠隔制御、ファームウェアのアップデートなどを実現する3G回線に対応するM2M向けマイクロサーバを開発することを決定したという。これまでも同社はRoosterシリーズの名称でルータ/モデムを提供していたが、ネットワーク越しでの管理機能などがなかったため、ファームウェアのアップデートなどは1台ごとに対応する必要があった。今回のRooster-GXにより、そうしたアップデートや設定の自動化、遠隔監視/診断が可能となるという。

また、既存のRoosterはルータ/モデムであり、パケットデータを飛ばすだけで、その前段で得られるセンサなどのデータ処理などはできなかった。Rooster-GXでは、メインCPUにMarvell Semiconductorの「kirkwood 88F628」(800MHz動作)、サブCPUにルネサス エレクトロニクスの「RL78/G13」を搭載する予定で、各種の状態に応じたCPUの使い分けなどによる省電力化を実現しつつ、データロガー機能により、Linux上のアプリケーションで各種のデータ処理などを行い、それを3G回線に載せて管理センターに送るといったことを1台で実現できるようになる。

さらに、これまでのRoosterシリーズで採用されてきた各種の電源制御機構も搭載される予定で、自動電源オフ/オンなどが可能であり、長期的な安定運用を実現することが可能だという。

LinuxはDebianに対応予定で、早ければ2013年の春ごろには発売したいと同社では希望している。市場想定価格は従来のRoosterから大きくかけ離れることもできないとのことで、7万円程度から(オプションなどによって変更)となる見込みとしている。

M2M遠隔管理プラットフォームによる遠隔監視機能のイメージ

Rooster-GXの製品イメージ