日本IBMは9月27日、RFIDシステムの最新版「Mojix STAR 3000」の提供を開始すると発表した。

「Mojix STAR」は、米Mojixが開発したRFIDシステムで、タグを付けた商品や人などを、1~3メートル以内の位置精度で、200メートル以上離れた場所でも感知し、リアルタイムなトレーサビリティー機能を提供する。

「Mojix STAR 3000」

同社によれば、このような精緻なトレーサビリティーはこれまで、電源を備えた高価なタグ(アクティブタグ)を利用する必要があったが、本システムでは、タグに電力を供給する機能(送信機)とタグからのデータを読み取る機能(受信機)を独立した装置に分けることで、それぞれの機能の性能を上げ、電池を内蔵しない安価なグローバル標準タグ(パッシブタグ)で実現したという。

最新版では、これまでの機能に加え、送信機に接続する、タグへの電力を発信するアンテナの最大数を、従来の512枚から8,000枚に拡張。これにより、従来製品の4倍以上である、最大10万平方メートルの範囲をカバーするほか、周波数は、昨年12月の電波法令改正により本年7月25日から使用可能になった世界標準の920MHzに対応。

また、従来製品は、受信機と送信機の間が同軸ケーブル接続のみの仕様だったが、ワイヤレス接続が可能となり、稼働環境も合計摂氏15度拡大し、-30度~60度での稼働が可能となった。

さらに、電気機械器具の防塵防水の規格であるIP65に対応することで屋外設置ができるようになり、耐環境性を高めている。

これにより、例えば小売業では、これまでバーコードやハンディ・スキャナーにより実施していた店舗での在庫管理作業を、ハンズフリーで、自動的かつより正確に行えるほか、店舗内のショッピング・カート上の動きもリアルタイムで把握できるため、顧客が購入に至るまでの具体的な動きなども把握することができるという。