大日本印刷(以下、DNP)は9月27日、駅や美術館などの公共空間で、パンフレットなどの印刷物を活用して、入場者に施設紹介やルート案内、イベントなど多様な情報を提供するナビゲーションシステムを開発し、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)の協力のもと、10月1日~14日の期間、JR大宮駅構内でシステムの実証実験を行うと発表した。

同システムは、パンフレットなどに印刷されたマーカーやアイコンをカメラで読み取ることで、関連するデジタルコンテンツを表示するAR(拡張現実)の技術を活用している。利用者はテーブル形状の専用装置の上に施設内にあるパンフレットを開いて置くだけで、印刷されていない最新情報や、現在地から施設内の目的地までのルート案内など、多様な情報を得ることができる。

(左)システム全容、(右)テーブル形状の専用装置の拡大

DNPは、2007年からAR技術の研究を進めており、ARを活用したプロモーション手法や各種システムなどを開発している。同社は、今回、JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所と共同で、「駅」という公共空間において、そこで配布されているパンフレットに着目し、掲載内容に連動した多様な情報を提供するシステムを開発した。

ショップの位置や概要を案内

スタンプラリーカードにも対応

今回の実証実験では、JR大宮駅構内に専用装置を2台設置し、期間中のイベント情報や施設案内などを提供する。DNPとJR東日本の両社は、利用者が情報を入手する際のユーザインタフェースや情報サービスとしての有効性を評価し、実用化に向けたシステムの課題や可能性などを検証する。

実証実験の概要は次のとおり。

期間 10月1日から10月14日
場所 JR大宮駅(埼玉県さいたま市)構内中央改札(南)内のエキナカ商業施設「エキュート大宮」コモレビ広場に専用装置を2台設置
提供する情報 JR大宮駅構内の案内情報のほか、「エキュート大宮」が駅構内で配布している「トレインフェスタ」のキャンペーンパンフレットに掲載された情報
ショップ案内 「トレインフェスタ」パンフレットに掲載されている商品を販売するショップへのルート案内
イベント情報 「トレインフェスタ」パンフレットに掲載されているイベントの開催日時や場所の紹介
スタンプラリー エキュート大宮で実施するスタンプラリーの場所や景品に関する情報