日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は9月27日、同社の無停止型サーバーソリューション「HP Integrity NonStopサーバー」のラインアップを拡充し、エントリーモデル「HP Integrity NonStop NS2100サーバー」を発表した。

同社のNonStopサーバーはミッションクリティカル分野向けシステムとして、24時間停止できない業務領域に向けに提供されてきた。従来、そうした分野は受発注システムや決済システムといった金融サービスや通信、製造・流通業を中心に導入されていたが、ITインフラの社会への浸透により、大企業のみならず中堅企業においても24時間停止できない業務領域が拡大しつつあるという。特に日本では、無停止型サーバービジネスは昨年対比で4倍の伸びを示しており、急速に需要が高まってきているという。

NS2100は、こうした中堅企業などからの需要増に対応するために開発された製品で、Intel Itanium 9300番台を2~4プロセッサ搭載可能(1ノードあたり)なほか、メモリは最大32GBまで対応可能と、性能そのものは従来のエントリーモデル「NS2200」と同等の性能を実現しつつ、コア数をシングルコアとすることで、ライセンス価格を従来製品の約半分に抑えた結果、システムの価格そのものも1074万1500円から、とIntegrity NonStopシリーズの中ではローエンドに位置づけることができたという。

システムのほとんどをItaniumなどの標準ハードウェアで対応することで、拡張性と低コスト性を実現

Integrity NonStopシリーズのローエンドに位置づけされるNS2100。ただし、同シリーズの特長である無停止技術はそのまま維持されている

ただし、同社がIntegrity NonStopシリーズに採用する「NonStop OS」、「ServerNet」、「NonStop SQL」の3つ技術についてはハイエンド向けと同様、採用することで、ミッションクリティカル分野のサービスを停止させずに運用することを可能としている。

3つのコアテクノロジーによりサーバーを停止しない仕組みを実現している

なお同社では、同製品の適用分野を「ミッションクリティカルデータベースサーバー」、「既存アプリケーションの適用範囲の拡大」、「災害対策や開発環境」、「ソリューションとのパッケージ」などとしており、これらの既存カバーエリアの拡大と、新たな用途への適用を進めることで、国内のミッドレンジサーバー市場でのシェア拡大を目指すとしている。

既存の市場であるミッションクリティカルデータベースサーバー分野などでの中堅企業の取り込みのほか、新規分野での用途拡大などもNS2100では狙うこととなる