帝国データバンクは26日、「中国進出企業の実態調査」の結果を発表した。同調査は、同社データベース・信用調査報告書ファイル「CCR」(160万社収録)をもとに抽出した企画商品「ATTACKデータ(海外進出企業)」の中から、中国進出が判明している日本企業について、都道府県別、業種別、年商規模別に分析を行ったもの。

それによると、中国に進出する日本企業は、8月末時点で1万4,394社に上ることが判明。都道府県別に見た場合、最も多かったのは「東京都」で全体の3分の1を占める4,748社(33.0%)だった。2位は「大阪府」が2,271社(15.8%)、3位は「愛知県」が1,051社(7.3%)と続き、上位3都道府県の合計が1,000社を上回っている。以下、4位は「神奈川県」が686社(4.8%)、5位は「兵庫県」が511社(3.6%)、6位は「埼玉県」が469社(3.3%)、7位は「静岡県」が360社(2.5%)となった。

都道府県全体の過半数となる24都道府県で進出企業数が100社を上回っており、同社は「日中関係悪化が長期化すれば、全国各地の中国進出企業に多大な影響を及ぼす可能性がある」と指摘している。

中国進出企業数

業種別に見ると、「製造業」が最多で5,951社(41.3%)。内訳は、工業用樹脂製品、自動車部品、金型・同部品などの進出が多かった。次に、産業用電気機器、アパレル関連、一般機械器具などの「卸売業」が5,057社(35.1%)で続き、製造、卸売の2業種で全体の76.4%を占めることが判明。以下、3位は「サービス業」で1,868社(13.0%)、4位は「小売業」で439社(3.0%)、5位は「運輸・通信業」で402社(2.8%)と続いた。

年売上高別に調べたところ、トップは「1億円以上10億円未満」で5,156社(35.8%)。次いで、「10億円以上50億円未満」が4,490社(31.2%)、「100億円以上1,000億円未満」が2,194社(15.2%)、「50億円以上100億円未満」が1,276社(8.9%)、「1億円未満」が958社(6.7%)との順となった。なお、直近決算で損益が判明した企業のうち、年売上高が10億円に満たない中小企業の4分の1(968社)が赤字だったという。

同社は、「日中の関係悪化が長期化すれば、中国に進出する1万4,394社だけでなく多数の日本企業が、生産、販売の両面で多大な影響を受ける可能性があり、日本政府には早急な対応が求められる」と指摘している。