Maxim Integratedは、全機能内蔵のRTD-デジタルコンバータ「MAX31865」を発表した。

同製品は、複数のディスクリート部品の代わりに使用することで、最大50%のコスト削減を実現可能な1チップソリューションで、工業分野で最もよく測定される物理量である温度を簡単、正確に測定することができるため、計測やプロセス制御における測温抵抗体(RTD)デジタイザなどに最適だと同社では説明している。

同製品は、工業分野における白金RTD(Pt100やPt1000など)の抵抗のデジタル化に伴う一般的な設計上の問題を解決し、±50Vの入力過電圧からの保護を実現するとともに、センサやケーブルの障害を検出することが可能だ。また、従来の設計で3線式センサー接続に使用される正確にマッチングした電流ソースが不要になるため、抵抗の測定が簡素化されるほか、内蔵の過電圧保護(OVP)回路によって外付けの保護回路が不要になるため、コスト削減、基板スペースの節約、設備稼働時間の延長が実現されるという。

精度は設計者が誤差バジェットを満たす上で有効な±0.5℃を実現しているほか、センサの開回路や短絡状態、入力過電圧、ケーブルの短絡や開回路の自動検出が可能となっている。

すでに一部のカスタマなどに向けた限定的な形でのサンプル出荷を開始しており、発売は11月中旬以降を予定している。提供されるパッケージは20ピンTQFNパッケージ(5mm×5mm)で、単価は3ドル(1,000個以上)からとなっている。

RTD-デジタルコンバータ「MAX31865」のブロック図