KDDIは、21日よりau版iPhone 5の販売を開始した。発売を記念して、同日、東京・渋谷区のKDDIデザイニングスタジオでは「スペシャルカウントダウンイベント」と銘打ったイベントが催され、KDDIの代表取締役社長・田中孝司氏と同社CMキャラクターの剛力彩芽さんが登壇した。
カウントダウンに先立ち、スライドを使用して田中氏のスピーチが。iPhone 5に対する思いを述べ「iPhone 4Sの発売イベントもこの場所だったが、最初ということもあって一部の機能が間に合わず、ソフトバンクの孫正義氏から揶揄されることもあった。その後、技術陣の発奮もあって、今年の春には足らない機能はないというところまで追いついた」とこの一年を振り返った。またiPhone 5発売前には「技術陣に対して、新しいiPhoneが出るときには、さらに上を目指す、もっとチューニングに磨けをかけろ」という指示を出していたという。そのこともあって、今回の発売に際しては「すべて対応した状況でお届けできる」と述べた。
「au 4G LTE」については「トラフィックの多い都心部を中心にスタートしている。一昨日、山手線を一周したのだが、いろんなところで『吹いて』いて、iPhone 5にあわせてチューニングできたと実感している」と続ける。「3Gも3倍」とした「WIN HIGH SPEED」についても説明。新たにPHSの隣接バンドを使用して、高速な通信サービスを提供する。また、Wi-Fiの5GHzについては「iPhone 5には、あらかじめ5GHz対応のプロファイルを入れ込んである」と解説した。ユーザーは特別な設定無しに5GHzのWi-Fiスポットを利用できる。
話題のテザリングに関しては「世界の95%くらいのキャリアが既に対応している。こういったiPhone 5の機能をみなさんに使っていただきたいということで、最初から入れております」とし、ソフトバンクを牽制した。また、メールサービスも強化を図ったとのことで、最大3MBの送信に対応したほか、件名、相手のアドレス、本文の一部の表示機能を装備した。データ通信料は月あたり5,460円と、値上げはせず、「auスマートバリュー」を利用すると3,980円となり、「最もお得」であるとアピール。
そして、アップルの基調講演などで御馴染みのフレーズ"One more thing…"を引用して「さらにもうひとつ」と繋ぎ、スマートフォン向けに提供していた「auスマートパス」の利用範囲を拡大することを発表した。これにより、Android端末に加え、iPhone 4S/5でも同サービスの利用ができる(サービス開始時はWebサービスのみ。2011年10月以降に新規加入、機種変更またはMNPでiPhone 4S/5を購入したユーザーが同サービスに登録を行うと、2012年12月末まで情報料390円を無料で利用できる)。
最後にauのiPhoneは「史上最高のiPhoneと最強のスマートネットワーク」であると強調し、「スタートする前の最初の思いを伝えると『auのiPhone、本命だよね』、そんな風に思っています」という言葉でスピーチを締めくくった。
カウントダウン前には、車掌姿の剛力彩芽さんが登場。「auへの乗換をアナウンスする車掌さんの役をCMで務めさせて頂いてます」と述べ、「au、iPhone 5、出発しまーす」とアナウンスを行った。
続いて、「au」「iPhone 5」とプリントされたTシャツを着た購入希望者をステージに案内し、カウントダウンが始まった。
今回の購入者第一号は、都内在住の男性。ステージ上で、田中氏からiPhone 5が手渡しされ、剛力さんからauオリジナルのiPhone 5カバーがプレゼントされた。男性は「すごくうれしいです」とコメントし、笑顔でイベントは終了した。