マンショントラブルのNo.1は?

  [2012/09/14]

家賃の未払い、水漏れ、ペット、事件事故……マンションでの生活では、さまざまなトラブルがあると耳にします。では、最も多いトラブルとは何なのでしょうか。

国土交通省がまとめた、『平成20年度マンション総合調査』(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/tenpu/so-03.pdf)によると、過去1年間のトラブルの発生状況は、「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が63.4%と最も多く、そのなかでも「生活音」(37.1%)が1位ということが判明しています。トラブルナンバー1は、つまり「騒音」だったのです。

そこで、「快適で安全な女性の一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザー・穂積啓子氏に、詳しいお話を伺いました。


■子どもの生活音が裁判で敗訴

――統計では「騒音」トラブルが1位とのことですが、管理の現場ではどうなのでしょうか。

穂積さん:「騒音」に関する相談は日々、寄せられます。
最近の裁判の例として、2012年3月15日に東京地裁で、「上の部屋に住む男児が跳びはねてうるさい」として、階下の夫婦が騒音の差し止めなどを求めた訴訟がありました。

裁判では、「我慢の限度を超えている」として、男児の父親に一定以上の騒音を出さないよう、また、夫婦が求めた慰謝料計60万円のほか、妻が頭痛で通院した治療費や騒音測定の費用も請求通り支払うように命じる判決を言い渡しています。

このケースでは、業者に依頼して騒音を測定した結果に基づいて、「男児が跳びはねたり走り回ったりする音は生活実感としてかなり大きく聞こえ、相当の頻度であった」と指摘、配慮すべき義務を父親が怠った、と判断されました。

これはほんの一例ですが、騒音問題は訴訟に発展するケースも少なくありません。

――入居前に騒音トラブルを避けるポイントはありますか。

穂積さん:騒音の起こりようには、建物の構造が大きく影響します。

木造や鉄骨造(S造)の建物よりも、8階くらいまでの中低層のマンションに多い鉄筋コンクリート造(RC造)や、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の方が頑丈で遮音性が高くなります。室内の音だけでなく、廊下を歩く音、階段の昇り降りの音、話し声が響くかどうかも大きく違ってきます。

引っ越しビギナーによくある失敗は、「内見のときは静かだった。こんなに隣の音が響くとは……」と、入居後に気付くというパターンです。

騒音が気になる方は、 部屋を探す段階で、「閑静な部屋」という条件を掲げて意識してください。鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物を選び、より静かな環境を望む場合は、上の階の音が気にならない最上階の角部屋がいいでしょう。

――騒音で悩んだとき、どうすればいいでしょうか。

穂積さん:隣や階上の住人だと原因が分かっていても、自分で苦情を言いに行くとトラブルになる可能性があるので、まずは管理人、管理会社、家主らに相談してください。

おさまらない場合は、騒音を感じた日時、どのような音なのか、何分間続いたのか、ボイスレコーダーで録音するなどして、記録をとってください。相手は「生活の音だ」と主張することがあるので、それに備えて証拠を集め、家主らに伝えましょう。

――小さい子どもがいて、こちらが隣近所への騒音になるのでは……と気になります。何かよい方法はありますか。

穂積さん:階下が店舗など、入居者がない1・2階の角部屋を選びましょう。また、隣の部屋との壁側にたんすを置くなどのバリアをつくることで、音は緩和されます。

階下に住民がいる場合、床素材は、フローリングは高音が響きやすく、カーペットや畳の方が響きにくいということも知っておいてください。子どもは歩幅が小さいので、親にとってはただ歩いているつもりでも、階下の人にはドタンバタンと走り回っているように聞こえるものです。

音を吸収しやすい、できるだけ厚手、毛足の長いタイプのカーペットを敷く、床とカーペットの間に防音用のマットを敷くなどの対策を採ることもお勧めします。

防音の方法はさまざまありますが、最も大切なことは、「引っ越し時のあいさつ」です。特に子どもやペットがいる場合はいっしょに、少なくとも上下階と両隣の人にあいさつをしておきましょう。

騒音トラブルとは、「見知らぬ誰かが出す、得体のしれない音に対し、違和感や脅威、平穏な日常を妨げられることへ怒りや不安がわく」ことから発生します。日ごろからあいさつを交わす関係であれば、「どんな人たちがどのような暮らしをしているのか」が垣間見え、同じ音でもなぜか気にならない、多少は許してあげよう、という気持ちにもなるでしょう。

――ありがとうございました。

まずは騒音を感じにくい物件を探し、次に、隣近所との良好な関係づくりを心がける。騒音トラブルとは、これだけで相当に避けられるのではないでしょうか。

監修:穂積啓子氏

「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。宅地建物取引主任者。その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た! ~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子 東京書籍 1,155円)に描かれました。同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。

(岩田なつき/ユンブル)

【関連リンク】

夫婦・恋人のお風呂事情

騒音を防ぐ住まいの工夫とは?

「南向き」本当にベスト?自分にふさわしい部屋の向きは……

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