MathWorksは、MATLABおよびSimulinkに主要アップデートを加え、使い勝手とナビゲーションを向上させたリリース2012b(R2012b)を発表した。

同リリースでは、Simulinkエディター向けにウィンドウの管理を向上させるタブ付きのモデルウィンドウやモデル階層を操作するためのエクスプローラーバー、最適な信号線のパスを決定する信号経路指定、ならびにシミュレーションの巻き戻し機能と信号への条件付きブレークポイントの設定を可能にするデバッグ機能が追加された。

また、プロジェクトファイルの管理とソース管理ソフトウェアへの接続のための「Simulinkプロジェクト」が導入されたほか、Arduino、LEGO MINDSTORMS NXT、BeagleBoard、PandaBoardなどのターゲットハードウェア上でのモデルの実行がサポートされるようになった。

さらにStateflowにもモデル化を簡素化するための新機能が追加された。例えばStateflowエディターがSimulinkエディターと統一され、スマートガイドと遷移のインジケーターラインが追加されたほか、階層的なステートマシンを構造的な表形式でモデル化するための状態遷移表や、ステートや遷移のアクション言語としてのMATLABのサポートなどがなされた。

一方、MATLABでは、常に拡張されるMATLABの機能を簡単に操作できようにMATLABデスクトップに2つの主要アップデートが施された。1つ目は「MATLABツールストリップ」の導入。これによりデータに対する最適なプロットタイプの選択など、頻繁に使用するMATLAB機能のアイコンを表示することができるようなった。2つ目「アプリケーションギャラリー」の拡張で、MATLABプロダクトファミリのアプリケーションの表示ができるようになり、コードを書かなくても一般的なタスクを実行できるようになった。

この他、MATLABアプリケーションをギャラリーに追加するためのパッケージ化、インポートツールを使用した固定幅テキストファイル、区切り記号付きのテキストファイルからのデータのインポート、コマンドウィンドウでの関数や変数のタイプミスを修正する、などといった機能も追加された。

なお、これらの機能はR2012bに含まれており、すでに入手可能となっている。