Integrated Device Technology(IDT)は、PCI Expresse(PCIe)Gen 3のネイティブサポートを備えたNVM Express(NVMe)エンタープライズ不揮発性DRAM(NV-DRAM)コントローラ「IDT 89HF08P08AG3」を発表した。

同製品は、同社のNVMeフラッシュコントローラファミリを拡張するもので、DRAMとNAND型フラッシュメモリの組み合わせの周辺に組み込まれ、規格に基づく高密度で高性能なPCIe接続NV-DRAMソリューションを提供するものであると同社では説明している。

PCIe ×8 Gen 3ホストインタフェースを備え、最大で32GBのDDR3 SDRAMと8チャネルのNAND型フラッシュメモリをサポート。NVMe規格に完全準拠するように設計されている。同規格は、最適化されたレジスタインタフェース、コマンドセット、およびPCIeベースのSSD向け機能を定義している。

また、低いレイテンシと高い耐久性を備え、読み出し/書き込みのランダム性能を実現しており、ストレージ集約型のエンタープライズクラスのアプリケーションに適した製品となっている。OEMに標準的なNVM Expressドライバを使用するNV-DRAMソリューションも開発することができるという。

さらに、最大3Gbpsの速度でDDR3 DRAMに直接データの読み出し/書き込みができるほか、パワーダウンを検出した場合、DRAMのデータをNAND型フラッシュメモリにバックアップすることが可能。最大8本のNANDフラッシュチャネルおよび1チャネル当たり8つのターゲットを用いることで、バックアップ動作はフラッシュの種類や利用されたターゲットの数にもよるものの、最大1Gbpsの書き込み帯域幅で実行することが可能だ。また、DDR3-800からDDR3-1600まで設定可能なデータ速度で、最大32GBのDDR3 SDRAMをサポート。データ経路は、4ランクの72ビット幅(64ビットのデータと8ビットECC)で、データ幅×8と×16のSDRAMをサポートする。

この他、同社のPCIeフラッシュコントローラと同様に、完全にプログラム可能で、同社のリファレンスファームウェアを強化したカスタムファームウェアにより、顧客のソリューションを差異化することができる。さらに、エンタープライズクラスのソリューションで期待されるデータインテグリティや信頼性の機能を提供することも可能となっている。

なお、パッケージは25mm角のFCBGA。現在、特定ユーザー向けにサンプル出荷中だという。