日産自動車は12日、『2012年パリモーターショー』(一般公開日 : 9月29日~10月14日)でSUVコンセプト「TeRRA(テラ)」を公開すると発表した。

SUVコンセプト「TeRRA」

同車は、都市部向けのSUV / クロスオーバーをベースに作られたコンセプトモデルであり、同社のゼロ・エミッションの知見が燃料電池車にまで及ぶことを示したというゼロ・エミッションSUV。オフロード走行と都市部での走りを両立させ、4×4の燃料電池パワートレインと堂々とした外観により、ゼロ・エミッションSUVという新たな領域における持続可能性を提案する。

フラットでコンパクトな燃料電池は、世界トップレベルの出力密度2.5kW/Lを実現するとともに、必要な貴金属の量が2005年の前型と比べて4分の1に減っており、コストは6分の1となっている。同車は純粋なコンセプトカーだが、水素が広く普及すれば、すぐに燃料電池自動車を量産する準備が整っているという同社の姿勢を示すものだとしている。

前輪は電気自動車「リーフ」に採用されているシステムで駆動し、後輪は実用レベルのインホイールモーター(IWM)を搭載することで4輪駆動となっている。後輪の駆動にドライブシャフトを必要としないため、室内やアンダーボディに突起がなく、フラットな室内デッキを実現したとのこと。

「TeRRA」インテリア

そのほか、ブナ材とアクリル、メタルフレーム等を取り入れた室内、視認性の良い中央寄りに配置されたフロントシート、インテリジェントキーの役割も果たす電子タブレットをドライバーが差し込むことで起動するシステムなどを採用。なお、タブレットは速度や主要な性能を表示するほか、エンターテインメント、通信、ナビゲーションなどの画面に切り替えることができ、取り外した際はタブレット端末として利用できる。