矢野経済研究所は9月6日、NFC(Near Field Communication)搭載端末の市場動向などに関する調査結果の概要を発表した。同調査は2月~5月に実施されたもので、国内市場に関するデータが公開されている。

NFCは近接型非接触ICカードの国際無線規格。NFCで通信可能な非接触ICカード規格はFeliCa、TypeA、TypeBの3つがあり、プラスチックカードやモバイル端末に搭載され、製品化されている。同調査では、NFCに対応した携帯電話(フィーチャーフォン) / スマートフォン / タブレット端末(通信モジュール内蔵)を対象に、市場規模算出と分析を行なっている。

これまで国内の非接触ICカードはFeliCaが主流だったが、今後は世界標準規格であるTypeA / TypeBに対応したスマートフォンが導入されることから、サービス範囲が広がっていくと同社では分析している。

NFC導入により拡大が見込まれるサービス(発表資料より)

2012年度における国内NFC搭載端末の出荷台数は3180万台と予測。2011年度(2012年3月期)のメーカー出荷台数は2175万台だが、海外でシェアを拡大するTypeA / TypeB規格対応スマートフォンの導入によるサービスの拡大を見込んだ数字となっている。

国内NFC搭載端末の出荷台数予測(発表資料より)

また、今後は国内市場で人気の高い海外製スマートフォンでもNFC対応が進むことが予想され、2012年度(2013年3月期)の稼働台数は前年より増加し、2390万台になるという。

国内NFC搭載端末の稼働台数予測(発表資料より)

なお、同調査の詳細レポートは同社のWebサイトから購入できる。書籍版とPDFレギュラー(事業所内利用限定版)が各21万円で、PDFコーポレート(法人内共同利用版)が42万円などとなっている。