三江線活性化協議会とJR西日本米子支社は10月1日より、「三江線増便社会実験(バス)」を開始する。実施期間は今年12月31日までの3カ月間。

三江線でバスによる社会実験が行われる(写真はイメージ)

三江線は江津駅(島根県)から三次駅(広島県)を結ぶ108.1kmの路線で、定期列車はおもにキハ120形気動車1両編成で運転される。全線にわたって江の川と並行し、途中には地上30mの高さにある宇都井駅、「秘境駅」のひとつとされる長谷駅をはじめ、見所も多い。しかし浜原~口羽間において、下り列車は日中9時間以上、上り列車も約7時間運転間隔が空き、その他の区間も1日5往復程度の運行にとどまるなど、列車本数の少ない路線となっていた。

今回の社会実験は、これまでに実施したアンケートや各種調査の結果を踏まえて実施されるもので、沿線住民や三江線の利用者の要望が多かった時間帯を中心に、バスによる増便を行う(運賃は鉄道運賃と同じ)。バスの運行事業者は中国JRバス(定員52名の中型バス)、芸備観光(定員24名の小型バス)、芸備タクシー(定員9名のジャンボタクシー)の3社。江津駅発浜原駅行の下りバスが5本、三次駅発着のバスが上り・下りともに4本設定されるなど、定期列車と合わせて現行ダイヤの約1.7倍の運行本数になるという。

なお、道路事情などにより駅から離れた場所にバス停を設置する駅が10駅(江津本町、川平、田津、石見川越、因原、木路原、明塚、石見都賀、江平、作木口)あるほか、江津市内にある千金駅については、バスは全便通過となる。一方、定期列車の約半数が通過する長谷駅には、すべてのバスが停車する。