日本チェーンストア協会は22日、2012年7月度のチェーンストア販売概況を発表した。それによると、7月のスーパー売上高は、既存店ベースで前年同月比4.9%減の1兆596億円となり、5カ月連続で前年実績を下回った。

7月度の全国スーパー総販売額は1兆596億円。売上高が減少した理由としては、梅雨明けが前年に比べて遅くなったことで気温が上がらず、夏物商品が苦戦したことなどが挙げられる。なお、お中元ギフトの売上は前年並みで、ハムなどの生鮮品ギフト、洗剤は好調だったものの、調理用油や飲料、乾麺は不調だった。

部門別の売上を見ると、食料品は前年同月比4.1%減の6,471億円。うち農産品の売上は844億円だった。玉ねぎやカット野菜の売れ行きは良かったものの、相場安のキャベツ、白菜、じゃがいも、きのこ類は不調。果物では、気温上昇に伴いスイカが好調だったほか、パイナップルや桃、ぶどうも伸びたのに対し、さくらんぼや相場高のりんごは低調だった。

畜産品の売上は659億円。放射性物質問題の影響で不振だった和牛・国産牛の売上が回復した一方、昨年牛肉からの代替需要があった豚肉や鶏肉は伸び悩んだ。水産品の売上は601億円。うなぎは土用の丑の日は好調だったものの、月全体を通しては不調だった。

惣菜の売上は695億円。うち焼物については、焼鳥にオリンピックの観戦需要があり動きが見られるものの、全体としては鈍かった。その他食品の売上は3,672億円。健康志向からTV報道のあったアーモンドやトマトジュースは好調だったほか、熱中症対策で飴も伸びた。また、オリンピックの観戦需要で、酒やおつまみ関連に動きが見られたものの、月間を通しての酒の動きは低調だった。

衣料品は前年同月比6.5%減の1,179億円。うち紳士衣料の売上は234億円だった。中旬まではブレザー、ベストなど羽織物が好調。Tシャツは梅雨明け以降伸びたが、Yシャツなどクールビズ関連、スラックス、ショートパンツは苦戦した。

婦人衣料の売上は389億円。Tシャツやカットソーは堅調だったものの、スーツ、フォーマル、パンツ、ホームドレス、スカートは低迷した。その他衣料・洋品の売上は555億円。

住関品は前年同月比6.7%減の2,220億円。詳細は、日用雑貨品が840億円、医薬・化粧品は359億円、家具・インテリアが436億円、家電製品が159億円、その他商品が427億円となっている。

このほか、サービスは前年同月比4.1%減の36億円、その他(商品供給高など上記の商品・サービス売上に属さない売上高)は同4.1%減の688億円だった。

【関連リンク】

2011年度のスーパー売上高は15年連続で減少 - 震災・原発事故や景気低迷で

1月の記録的寒さ、売上に影響 - 北日本などの百貨店は苦戦、コンビニは好調

9月の百貨店・スーパー売上、猛暑で秋物商品苦戦 - コンビニは"タバコ特需"