米Googleは8月21日(現地時間)、新しいJavaScriptベンチマークスーツ「Octane」を公開した。KrakenやSunSpiderなど既存のJavaScriptベンチマークに比べると、今日のブラウザユーザーが使用しているインタラクティブ性に富んだWebアプリの実際のワークロードにおける処理性能を計測できるという。

従来のJavaScriptベンチマークの多くは、ad-hocベースでJavaScriptの特定の機能にストレスをかけるマイクロ・ベンチマークである。JavaScriptが幅広い用途でリッチなWebアプリを実現するようになる前に設計されており、今日の環境ではベンチマークとして軽量すぎるものになっている。Octaneは、モダンなWebアプリが直面する要求の高いJavaScript環境におけるパフォーマンスを計測できるように、V8 Benchmark Suiteに新たに5つのテストを加えた計13種類のテストで構成される。

V8 Benchmark Suiteからのテストは、Richards、Deltablue、Raytrace、Regexp、NavierStokes、Crypto、Splay、EarleyBoyerの8つ。新しいテストの概要は以下の通り。

  • Box2DWeb:JavaScriptにポートされた2D物理エンジンの動作。

  • Mandreel:JavaScriptにポートされた3D Bulletエンジンの動作。

  • Pdf.js:MozillaのPDFリーダーをベースに、サンプルのPDFドキュメントをブラウザがデコードする速度を計測。JavaScriptアプリがネイティブのブラウザ・プラグインを置き換えられるかを示す。

  • GB Emulator:ポータブルコンソールのアーキテクチャをエミュレートし、負荷の高い3Dシミュレーションを動作させる。

  • Code loading:大きなJavaScriptプログラムをロードした後にコードの実行を開始する速度を計測。

Octaneに対応するWebブラウザは、デスクトップブラウザがChrome (v.14以上)、Firefox (v.13以上)、Internet Explorer 10、Opera 12、Safari (v.5.1.7以上)。またAndroid 4.1を搭載したGalaxy Nexusを使って、モバイル版のChrome、Firefox、Operaで実行できたと報告している。iOSデバイスでは一部のテストでエラーが起こる。Octaneを実行する際にはOSを最新の状態にアップデートし、アンチウイルス・プログラムを含めて他のプログラムが動作していない状態で走らせることを推奨している。