NTTアドバンステクノロジは8月16日、シンガポール科学技術研究庁 材料工業研究所が主催する「ナノインプリント産業コンソーシアム(The Industrial Consortium On Nanoimprint:ICON)」に参画すると発表した。

科学技術立国を目指しているシンガポールでは、科学技術研究庁(Agency for Science, Technology and Research:A*STAR)の配下にある材料工業研究所(Institute of Materials Research and Engineering:IMRE)がナノテクノロジーに着目し、ナノインプリント技術の研究開発を重点テーマとして進めている。

この研究開発推進の母体となるICONは、多目的産業用ナノインプリント技術の開発促進のために2010年に設置され、Project 1(完了)で光学的反射防止構造を、またProject 2(完了)およびProject 3(現在進行中)でそれぞれ微生物付着防止構造、ロール型インプリント転写性能の確認を主テーマとして研究開発が進められてきた。これまでの研究開発結果を踏まえ、今回、大面積機能フィルムとその材料開発を主テーマとし、よりユーザーのニーズを意識したProject 4が2012年7月26日より1年間の期間で設置された。

NTT-ATは、ICONのProject 1/3にも参画しており、Project 1では微細加工技術を生かした反射防止構造モールドを、Project 3では従来よりも大面積化したモールドを提供し、その実績が高く評価されている。今回参画するProject 4では、主テーマである大面積機能フィルム・材料開発で重要な役割を担うモールドを提供することにより、目的である低コスト・大面積の課題克服を目指す。これにより、これまで限定的であった応用範囲が広がり、携帯機器のディスプレイからバイオメディカル用品までナノインプリント技術の応用領域が拡大することが期待される。