IDC Japanは8月14日、日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値を発表した。これによると、2012年第2四半期(4月から6月)の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス市場が178万台、前年同期比1.2%増、家庭市場が207万台、同比2.4%減、計385万台、同比0.8%減となった。

2012年第1四半期(1月から3月)では2ケタ成長となったビジネス市場も、流通在庫の調整や欧米の経済の先行き不透明感から出荷が鈍り、前年同期比1.2%増にとどまった。家庭市場では、デスクトップPCのマイナス成長(同比15.1%減)が響き、前年同期比成長は2.4%減のマイナス成長になった。その結果、2012年第2四半期のクライアントPCの総出荷台数は、2012年第1四半期の前年同期比9.9%増から減速し、同比0.8%減のマイナス成長となった。

ベンダーシェアは2012年第1四半期から順位の変動はなく、上からNECレノボ グループ(25.4%)、富士通(15.3%)、東芝(12.1%)、ヒューレット・パッカード(8.7%)、デル(8.3%)という結果となった。

2012年第2四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値) 資料:IDC Japan

NECレノボ グループは2011年7月に統合し、部材調達コストの削減、技術の共有化、オペレーションの効率化などで成果を上げ、国内出荷台数の約4分の1のシェアを維持、富士通はビジネス市場では健闘したものの、家庭市場向け出荷が振わずマイナス成長になった。

東芝はビジネス市場、家庭市場ともにプラス成長、ヒューレット・パッカードは家庭市場ではデスクトップPCの出荷が不調でマイナス成長となり、ビジネス市場もチャネルの在庫調整の影響からマイナス成長になった。

デルはビジネス市場でプラス成長を維持したが、前期に続いて家庭市場が振るわなかったためマイナス成長だった。

IDCは、「Windows 8の発売を控え、家庭市場は需要が冷え込む可能性が高い一方、ビジネス市場は中小企業を中心に欧米の経済の先行き不透明感に対する懸念から、買い替えを控える傾向が見られる。このため、2012年第3四半期(7月から9月)は一時的にマイナス成長となるが、2012年第4四半期(10月から12月)はWindows 8の効果により再びプラス成長に戻るだろう」と分析している。