アライド・ブレインズは8月10日、官公庁サイトにおけるアクセシビリティ・ユーザビリティ対応状況を調べる「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査 中央省庁・独法・特別民間法人編 第6回」の結果を発表した。同調査は官公庁の310サイトを対象に6月から7月にかけて実施されたもので、全体の7割以上のWebサイトでアクセシビリティ上の対応に問題があることが明らかになったという。

日本では、公共サイトのアクセシビリティ対応について、ホームページのJIS規格である「JIS X 8341-3:2010」(2010年8月改正公示)や、総務省の「みんなの公共サイト運用モデル」(2011年3月改定)などの指針が定められており、すべての公共サイトは「高齢者や障害者を含むすべての人々が利用可能であること」が求められている。

発表によると、今回の調査では同社がアクセシビリティ対応のスタートラインと位置づけるAレベルをクリアするサイトは310サイト中81サイト(26.3%)で、73.7%の官公庁サイトは最低限の品質に達していないという結果になった。73.7%の内訳は、「対応途上」のBレベルが27サイト(8.8%)、「対応に着手した段階」のCレベルが69サイト(22.4%)、「対応不十分」のDレベルが74サイト(24.0%)、「対応未着手」のEレベルが57サイト(18.5%)となっている。

JIS X 8341-3:2010をはじめとする規格・指針が求める水準を満たすには、Aレベルのなかでも最上位のA-aレベル以上の対応が必要となるが、A-aレベルをクリアしたWebサイトは310サイト中、1件しかない。官公庁サイトにおけるアクセシビリティ対応の具体的な問題点としては、ナビゲーションのメニュー画像に代替テキストが付与されていないことや、見出しを示すタグ(hタグ)がないことなどが挙げられている。

A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査の集計結果

また、2011年に実施した前回調査との比較が可能な199サイトについて、25サイトはアクセシビリティ対応が改善されていたが、16サイトは前回よりも評価が下がっていたという。同社は、複数部署で運営を管理し、膨大な情報量を頻繁に更新する公共サイトは、一定以上の品質レベルを維持するために「Webサイト全体の品質を定期的に把握し、改善の取り組みを日々継続していく必要がある」としている。

なお、アクセシビリティ対応の評価方法など、調査の詳細は同社のWebアクセシビリティ総合サイト「A.A.O.」で閲覧できる。