Xilinxは8月8日(米国時間)、同社のAll Programmable SoC「Zynq-7000」の最大処理性能を1GHzに引き上げたこと、および小型のフォームファクタパッケージの提供を発表した。

「Zynq-7000」ファミリは、ハードウェア、ソフトウェア、I/Oが密接に統合されたAll Programmableデバイスファミリで、医療や航空宇宙/防衛の市場で採用される数多くの高性能な画像およびグラフィックス処理アプリケーション、有線/無線機器を対象とした演算負荷の高いシステムなどに適していると同社では説明している。

最大規模に該当する2つのZynq-7000デバイスの初期仕様と比較して25%の動作周波数の増加となる1GHz駆動によって、同ファミリはこれまで予想されてきた以上に多い数のアプリケーションのパフォーマンス要件を満たすことが可能になるという。特に、1チップで高度なプロセッシング能力が求められる、負荷の大きい画像および信号処理が含まれるシステムなどに適したものになったという。また、ARMプロセッシングサブシステムとプログラマブルロジックの密接な統合により、高いパフォーマンスおよび低い消費電力によってアプリケーションを最適化しながらBOMを削減できる。

1GHzの最大周波数を実現可能なARM デュアルコア Cortex-A9 MPCoreプロセッサを搭載した「Zynq-7045」は、500万以上のASICゲート数相当のロジック(35万ロジックセル)、16個の12.5Gbp/sシリアルトランシーバ、最大1334GMACSのDSPパフォーマンスを有する。また、PCIe Gen2 ×8ハードブロックまたはPCIe ×8 Gen3ソフトIPコアに加え、DDRモードで1.6Gb/sのLVDSインタフェースをサポート。さらに最大1866Mb/sのDDR3メモリインタフェースをサポートするSelectIOテクノロジを提供しており、プログラマブルシステムの統合をさらに進めることができる。

加えて、「Zynq-7020/7010」向けに13mm角のCLG225パッケージを追加することも同社は併せて発表した。これにより、産業向けモータ制御や画像処理、カメラベースのドライバアシスタンスシステム、携帯型の医療用画像処理装置、そして様々な民生機器など、物理的な大きさに厳しい制約があるアプリケーションに対してプログラマブルシステムでのシステム統合によりサポートすることが可能になると同社では説明。

「Zynq-7045」はすでにアーリーアクセスプログラムの参加ユーザーの一部に対して出荷を開始しているほか、次の四半期にはさらに多くのユーザーに提供される予定。「Zynq-7020」はすでに2011年12月から出荷されており、「ISE Design Suite 14.2」にて設計を開始することができるほか、同社や同社のアライアンスプログラムメンバーから提供されている様々なOSや開発ツール、開発プラットフォームを用いて、ソフトウェア開発を始めることができる状態となっている。