8月8日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2012年7月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では943件/7,152億1,200万円、商工リサーチの発表では1,026件/7,241億円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2012年7月の全国企業倒産の件数は、前月(896件)比で5.2%の増加となったが、前年同月(965件)比は2.3%の減少となり、2ヵ月連続で前年同月を上回った。前年同月比の減少幅は、前月の2ケタ(12.6%)から1ケタ台へ縮小した。

2012年7月の全国企業の負債総額は、前月(1,776億2,000万円)比は302.7%、前年同月(2,028億8.500万円)比も252.5%の大幅増加となり、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。2012年2月の6,289億8000万円を上回り、今年最大を記録した。

全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、建設業(238件、前年同月比15.6%減)、卸売業(122件、同10.9%減)、製造業(122件、同9.6%減)の3業種で前年同月比減少となり、なかでも建設業は9ヵ月連続の前年同月比減少となった。一方、サービス業(177件、同11.3%増)、小売業(187件、同8.7%増)などの4業種は前年同月を上回った。

地域別では、9地域中6地域で前年同月を下回った。なかでも東北(26件)は前年同月比38.1%の大幅減少となり、九州(66件、前年同月比9.6%減)でも減少が目立った。一方、北海道(31件、同55.0%増)、中国(53件、同47.2%増)、北陸(46件、同39.4%増)の3地域は前年同月を大きく上回った。

商工リサーチの調査結果

2012年7月の倒産件数は、前年同月(1,081件)比で5.0%の減少となり、7月としては1993年以降の過去20年間で2006年(1,051件)に次いで2番目に少ない低水準だった。

2012年7月の負債総額は、前年同月(2,209億1,200万円)比で227.7%増と、今年最大を記録した。同社はその理由について、消費者向け貸金業のクラヴィス(負債3,268億8,700万円・破産)と海運業の三光汽船(同1,558億7,400万円・会社更生法)の大型倒産を挙げている。この2社で7月の負債総額の約7割(構成比66.6%)を占めているという。

全国企業倒産月次推移 資料:商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、6産業が前年同月を上回った。増加したのは、金融・保険業75.0%増(4件→7件)、運輸業29.4%増(34件→44件)、小売業15.3%増(104件→120件)、卸売業6.5%増(137件→146件)、不動産業2.9%増(34件→35件)、サービス業他1.7%増(227件→231件)。卸売業と運輸業が4ヵ月連続、不動産業が3ヵ月連続で前年同月を上回り、サービス業他が4ヵ月ぶりに増加に転じた。

主要産業倒産件数推移 資料:商工リサーチ

地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、4地区で前年同月を上回った。減少したのは、東北40.0%減(45件→27件)、九州15.6%減(83件→70件)、関東9.2%減(410件→372件)、四国6.6%減(30件→28件)、北海道2.9%減(34件→33件)。