味わい力が高い妻と低い妻では、夫の収入に大きな差があった

高橋酒造は、食を楽しむことのできる日本人を増やしたいという考えにより、学習院女子大学日本文化学科・環境教育センター品川明教授の監修のもと、「食を楽しむ力」を測るための「味わい力」テストを、味香り戦略研究所とともに開発した。

「現代型味オンチ」が夫の年収に影響!?

「味わい力」とは、「食への意識」「味覚感度」「食に関する表現力」「食の知識」「食の経験」の5つの指標を総合的に判定した、後天的な「食を楽しむ能力」のこと。五味の認識力(いわゆる味覚力)とは異なる、食への感受性のことを指す。

福岡在住の30~40代の主婦111名を対象に「味わい力」テストを実施した結果、「味わい力」保有者は34%(38名)、対して「味わい力」の低い「現代型味オンチ」は66%(73名)となった。

「味わい力」が高い妻の夫は平均年収527万円。低い妻の夫は395万円。

さらに、同時に実施したアンケート調査により、妻が「現代型味オンチ」の場合、夫の年収は「味わい力」保有者の妻の夫に比べて低いことも明らかになった。「味わい力」テストの上位20位と下位20位の妻の夫の年収を比較したところ、「味わい力」の高い妻の夫の平均年収は527万円、「現代型味オンチ」の妻の夫の平均年収は395万円で、平均年収に130万円の差が付いた。

さらに、「味わい力」の高い妻の家庭の方が、お互いの誕生日や結婚記念日を覚えており、かつ積極的にお祝いをしていることも分かった。「味わい力」のある妻の方が、夫婦間でコミュニケーションをよく取ることが影響している可能性があり、それによる結果とも考えられる。

「現代型味オンチ」は、食に対する興味の低さから発生!?

また「現代型味オンチ」は、食に対する傾向により「表現ベタ型」「偏食ワンパターン型」「無頓着型」の3タイプに分かれることが分かった。

食にこだわっていても「現代型味オンチ」の可能性あり

「表現ベタ型」とは、トレンドに飛び付きやすく知識もあり、料理を作る機会も多いが、おいしさの表現が乏しく“自分の好き嫌い”に止まるタイプ。「偏食ワンパターン型」とは、小さいころから好き嫌いが激しく食の経験値が低いタイプ。「無頓着型」とは、食事を短時間で済ませることが多く、ジュースや炭酸飲料など味の濃いものを料理と一緒に摂(と)るタイプ。

「現代型味オンチ」を改善する方法として、食育の専門家である品川教授は「“味わい力”は、外食時にどのような食材が使われているか、どのような味付けがされているかを意識すること、また毎日の食事の中で、料理と飲み物の組み合わせを考えるなど、日常的に、食に対する意識を高めることで改善できます。例えば、繊細な和食を食べる時の食中酒として、和食の繊細な味をひきたてるような米焼酎などを選ぶといった意識が大切です」と述べている。

高橋酒造は、品川教授とともに、現代型味オンチの特徴を踏まえ、3つのタイプ別トレーニング方法を提案している。詳細は「味わい力に関するWebページ」で。