浅草ギ研は、同社の「ロボット神経システムAGB65」シリーズの新製品として、Androidスマートフォンとマイコンをシリアルで接続できるインタフェースボード「AGB65-ANDROID」の販売を開始したことを発表した。

AGB65シリーズは、ホビーロボット向けのセンサコントローラ・アクチュエータコントローラ群で、1つのシリアルラインを複数のAGB65シリーズで共用でき、簡単なシリアル通信によって指示及びデータの取得ができるのが特徴だ。

今回のAGB65-ANDROIDも同シリーズの1つで、AndroidスマートフォンのUSBポートに接続する非同期シリアル通信インタフェースボードとなる。Androidスマホを、自作マイコンボードや市販のマイコンボードに接続することが可能だ。

通信ポートや電源コネクタは、ほかのAGB65シリーズと同じものが実装されているので、AGB65付属のケーブルを使って、最小限の工作を行うことで接続が可能だ。はんだ付けの作業などをほとんど行わずに、RCサーボや各種センサをAndroidスマホに接続することができる。

また、TTLレベル(5V)入出力を採用しているので、電子工作でよく使われている、H8やPIC、AVRなどの5V系のマイコンのUARTと接続することも可能だ。

しかも、AGB65シリーズならではの小型設計で、サイズは30mm×40mm。ロボットなどに基板を搭載する場合はその大きさがネックになるが、AGB65-ANDROIDは極力小さい部品で構成されており、実装面積が小さくて済む。基板の4箇所には穴径2.2mm、M2ネジ用の取り付け穴も用意されている。

通信は一般的な非同期シリアル通信、8ビット、ノンパリティ、ストップビット、フロー制御なし、115200bpsで、GoogleのAndroid Open Accessory仕様で行う。

AGB65-ANDROIDにはすでにAndroid USB Accessory機能対応のファームウェアが書き込まれており、Androidスマホ側のアプリケーションソフト内に決められた文字列をセットし、USBをさすだけで自動的に認識される仕組みだ。Android OSのバージョンは2.3.4または3.1以上。

ただし、日本国内で販売されている機種によってはこれらのバージョンでもUSB Accessory機能が使えないものがあり、特に現時点では「Galaxy SII」は2.3.4、2.3.6でも非対応だ(将来的には対応になる模様)。

そのほか、Androidアプリを作るためのサンプルプログラムが用意されている(公式Webサイトからダウンロード可能)。

同製品のメリットは、複数のメーカーから発売されているAndroidのアクセサリを作るためのADKという開発ボードが発売されているが、シリアル通信をしようとするとコツが必要となるが、AGB65-ANDROIDにはファームウェアが書き込み済みの上、Android側のサンプルプログラムも用意されていることから、通信部分のプログラムを作ることなく通信が可能という点だ。

また、ほかのAGB65シリーズと接続すれば、Android側のJavaアプリのプログラムを作るだけで、サーボモータ制御や各種センサ入力なども行えるようになる。それらのサンプルプログラムも公式サイト上に用意されている形だ。

なお、価格は6300円。スペックは以下の通りだ。

  • 電源:+5~5.5V(Android携帯のAC充電器)または+7~25V・1A以上安定供給できるもの
  • 通信設定:8ビット、ノンパリ、ストップビット、フロー制御なし、非同期通信
  • 通信速度:115200bps
  • 寸法/重量:30x40mm/8g
  • 価格:6300円

AGB65-ANDROID