科学技術振興機構(JST)は7月30日、科学好きのすそ野を広げること、ならびにトップ層の学力伸長を目的として、日本全国の高校生が学校対抗で科学の知識・技能を競う「第2回 科学の甲子園 全校大会」を2013年3月23日~25日、兵庫県立総合体育館で開催することを発表した。

同大会は、2012年3月24日~26日に、47都道府県から48チーム、363名(男子299名、女子64名)が参加して開催された「第1回 科学の甲子園 全国大会」に続くもの。すでに第2回大会の参加権をかけた各都道府県での予選が順次進められており(複数回の予選が実施される都道府県もあり)、1都道府県1チームの出場枠を争うこととなる。

科学の甲子園が目指す4つの目標。全国大会の課題はこうした目標を実現するためのものが出される

出場チームは1校単位で編成され人員は6~8名、出場資格は高校1年もしくは2年生の生徒(中等教育学校後期課程および高等専門学校は同年時の生徒または学生)となっている。

全国大会の競技種類は大きく分けて「筆記」と「実技」に分かれ、筆記競技は理科、数学、情報の中から知識を問う問題および知識の活用について問う問題で構成されるほか、教科や科目の枠を超えた融合的な問題も出題される可能性もある。

一方の実技は、理科、数学、情報に関わる実験、実習、考察など、および科学技術を総合的に活用して、ものづくりの能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力などにより課題を解決する力を競うものとなっており、第1回大会では2つの実験競技と2つの総合競技の2つの実技競技が実施されている。

それぞれの競技得点は前回同様、筆記が360点(30点×12課題)、実験競技が総合競技360点、実技競技360点の合計1080点となっているが、「第1回大会では黙々と個々人が問題を解いている様子が見られたので、できればチームで解いてもらえるような問題作りを目指したい。例えば数学だと思って解いていったら、物理だったといったようなもの」(科学の甲子園企画委員会 委員長で横浜国立大学名誉教授の伊藤卓氏)とするほか、「第1回大会ではプレゼンテーション能力はあまり求められなかった。第2回大会では、その点を反省し、頭も使うし、手も使う総合的な課題を提案したい」(同)と、演算などの難しさのみならず、それをいかにプレゼンしていくか、といった表現力なども問われるものになる可能性が高いという。

また、前回大会では複数社の企業がスポンサーとして参加し、スポンサーの名前が冠せられた賞なども送られたが、第2回大会でもスポンサー募集は継続して実施される。すでに前回大会でもスポンサーであったケニスがスポンサーとして名乗りを上げているほか、日本マクドナルド、シマンテック、ネイチャー・アジア・パシフィックが新規スポンサーとして名乗りを上げている。同会見では、シマンテックの執行役員でマーケティング本部 本部長の石崎健一郎氏が出席し、「シマンテックは全世界で理系学生の教育に注力しており、日本でもそれを推進していこうと思っている。すでに世界に先駆けて7月より高校性対象の"サイバーセキュリティチャレンジ 2012"も開催しており、今回のスポンサーも日本の技術志向の学生の育成を支援することを目指して行っている」と科学系に精通する人材育成の重要性を強調した。

産学官が連携することで、科学技術分野に強い人材育成を目指すのが科学の甲子園の目標の1つ

なお、各都道府県の代表選考会の実施予定日などに関しては、以下の画像を参照してもらいたい。

各都道府県の代表選考会の実施予定日や問い合わせ先(pdf版はコチラ)