EU、Microsoftが「ブラウザ選択画面を提供していない」と調査

末岡洋子  [2012/07/18]

EUの執行機関である欧州委員会(EC)は7月17日(ベルギー時間)、米Microsoftが欧州経済圏で提供することになっているWebブラウザ選択画面「Browser Choise Screen(BCS)」の提供を怠った疑いがあるとして、調査を開始すると発表した。最大で年間売上の10%の罰金を課す可能性もあるという。

Webブラウザ選択画面(BCS)の提供は、2009年12月にMicrosoftとEUが合意したもの。ECは、MicrosoftがOSにブラウザ(「Internet Explorer」)をバンドルしているとするノルウェーOpera Softwareの苦情を受けてEU反競争法(独占禁止法)に基づき調査を進めていた。これに対しMicrosoftは2009年、IEのほか、「Firefox」「Opera」「Google Chrome」など複数のブラウザのアイコンを表示することでユーザーがWebブラウザを選択できる画面を提供するという和解案を提案、ECがこれを承認し、Microsoftは2010年3月に配信を開始した。この合意では、MicrosoftはWindows XP/Vista/7のユーザーに5年間(2014年まで)提供することになっていた。

ECによると、Microsoftは2011年2月にリリースした「Windows 7 Service Pack 1」でBCSを提供していないという。なお、Microsoftは2011年12月にECに遵守状況を提供した年間報告書で、合意を遵守していると報告していたとのことだ。

ECの競争担当委員のJoaquin Almunia氏は「合意への遵守は重要なこと」とし、「侵害が認められた場合、罰金の可能性もある」とコメントしている。罰金は最大で売上高の10%だが、Microsofの売上高は2011年7月に発表した会計年度2011年通年の決算報告によると699億4300万ドルであり、罰金は約70億ドルに及ぶことになる。

Microsoftは同日付けで声明文を発表し、「技術的なエラーにより、Windows 7 SP1を搭載するPCにBCSソフトウェアを配信できなかった」と事実を認めている。Microsoftは配信されなかったPCを約2800万台と見積もっている。

Microsoftは通知を受けて、問題発見後すぐに修正ソフトウェアを作成し、7月3日よりWindows 7 SP1が動くPCに配布を開始したこと、遵守期間を15ヵ月自主的に延長すること、今回のミスについて外部機関の調査を開始したことを報告している。

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