オンラインゲームを開発・運営するシグナルトークは、認知症を自宅でチェック・管理できるWEBサービス「脳測(のうそく)」を7月12日より開始した。サービス開始に先立ち、7月11日、同社の栢孝文代表取締役と開発に協力したレデックス認知研究所の五藤博義所長による発表会が行われた。

それによると、日本人の50人に1人が認知症を患っているという現代において、認知症は早期発見と早期治療が大切だが、自分がどの程度認知症の可能性があるのかを定期的に検査するのは、時間や費用の面でも難しい。こうした状況に対し、「脳測」は認知機能を家庭で簡単に数値化できるため、認知機能低下の早期発見を促すことができるという。

脳測は医学的な知見や研究に基づいて構成されている

脳測は「注意力」「エピソード記憶」「遂行機能」「ワーキングメモリー(作業記憶)」に対応した4つのテストを通して、認知機能をスコア化するというもの。1回のテストは15分程度で、テストの結果は随時蓄積されるため、認知機能の推移を確認することもできる。テストは医学的な知見や研究に基づいて構成されており、認知機能障害を測定するために医療機関が行っているMMSE(認知機能検査)の結果との相関性が実証されている。

あくまでも認知症は医師だけができることであり、脳測は数値が悪い、もしくは低下が見られた場合に、医療機関を受診して治療を行うためのきっかけ作りを目指している。開発に携わった五藤博義所長は、「認知機能は推移を知ることが必要であり、自宅というストレスのない環境で定期的にチェックが受けられることが脳測の大きいメリット。MMSEを受ける人はすでに認知症を患っている人が大多数だが、発症する前の40代、50代から週1~月1回程度チェックしておくことが認知症予防や進行の緩和につながる」とコメントした。

レデックス認知研究所の五藤博義所長

脳測は1カ月1,050円で、1つのアカウントで最大5名まで情報を管理できる。2012年8月15日までは無料でサービスが利用できるので、まずは現在の認知機能をチェックしてみるのはいかがだろうか。

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