水温の高い表層海水と冷たい深層海水の温度差を利用する「海洋温度差発電」の実証試験が今年度中に、沖縄県久米島町で始まることになった。同県が進める「平成24年度海洋深層水の利用高度化に向けた発電利用実証事業」を受託した「IHIプラント建設株式会社」(本社・東京都江東区)と「株式会社ゼネシス」(本社・東京都中央区)、「横河電機株式会社」(本社・東京都武蔵野市)の3社が9日、発表した。
海洋温度差発電は、水温25-30℃の海洋表層水によってアンモニアなどの低沸点媒体を気化し、その蒸気でタービンを回転させて発電させる。気化した低沸点媒体は5-7℃の深層水を用いた熱交換ユニットで液体に戻し、繰り返し発電に利用する仕組みだ。
今回の実証試験では、2013年3月までに小型の実証設備を建設し、実用化に向けての発電コストの低減方法や洋上型システム設置の可能性などを検討する。IHIプラント建設は設備全体の設計と建設、ゼネシスは発電・熱交換ユニットの設計・製造、横河電機は発電ユニットの監視・制御システムなどの設計・製造を担当する。
久米島町では2000年に「沖縄県海洋深層水研究所」を開設して取水を開始して以来、海洋深層水の低水温・清浄性・富栄養性などの特徴を生かして、島の産業の振興や育成に取り組んでいる。水産分野ではクルマエビや海藻「クビレヅタ(海ブドウ)」などの生産、農業分野では、夏場に栽培の困難なホウレンソウなどの葉物野菜の栽培に海洋深層水を利用し、成果を上げている。さらに今回の、再生可能エネルギーとしての海洋温度差発電の技術導入を含めて、新しい島しょタイプの海洋深層水複合利用モデルの構築を目指している。
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