GPS(衛星利用測位システム)とスマートフォンを組み合わせ、視覚障がい者が目的地へ間違いなく到達できる支援システムを、情報通信研究機構と富士通が開発した。5、6日に横浜市のパシフィコ横浜で開催される「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2012」で、デモ展示を行う。
「視覚障がい者歩行支援システム」の大きな長所は、屋外だけでなく屋内でも使えること。一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)の認証を受けると無償で使用できる電波帯、UWB(超広帯域=3.4-4.8ギガヘルツと7.25-10.25ギガヘルツ)を利用する。屋内エリアに複数の「基地局」を配置し、利用者と目標地点を「移動局」とすることで、基地局から移動局の距離を30センチ以下の精度でそれぞれ割り出し、利用者の持つスマートフォンに位置を表示する。利用者(視覚障がい者)はこの表示を読み取れないので、目標地点に到達するまでの歩行方向と歩行距離が、音声で案内される仕組みになっている。
開発チームは、今後、進路上の障害物を検出するセンサーなどと連携したシステムを構築し、実用化を目指した技術開発をさらに進めたいとしているが、この技術は、自治体庁舎内 や病院での案内・誘導、博物館・美術館・図書館・ショッピングモールなどで場所に応じたコンテンツを提供するといった総合的なサポートサービスへの応用も期待できると言っている。
日本学術会議の臨床医学委員会感覚器分科会報告「感覚器医学ロードマップ―感覚器障害の克服と支援を目指す10年間」(2008年8月)によると、日本では先天性の視覚障がい者が2,000人に1人、先天性の聴覚障がい者が1,000人に1人の割合で生まれている。一方、これら感覚器障がいに対する社会と行政の理解は不十分で、診療報酬点数の抑制など国民医療費抑制政策の重点対象診療になっているほか、障がい者に対するバリアフリーも不十分だ、と指摘している。
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