Mozillaは7月2日(米国時間)、「Firefox OS」を搭載したモバイル端末が2013年前半に登場する見通しを明らかにした。

モバイル端末向けFirefox OSは、オープンWebプラットフォームのスタンドアローンOSを構築する「Boot to Gecko」プロジェクトとして進められていたものだ。今日のモバイルプラットフォームでは数多くのモバイル端末の機能へのアクセスがネイティブアプリに制限されているが、Firefox OSはHTML5アプリでもそうした機能を利用できるようにする。

Mozillaによると、Deutsche Telekom、Etisalat、Smart、Sprint、Telecom Italia、Telefonica、Telenorなどの通信キャリアがFirefox OSをサポートする。またTCL Communication Technology (Alcatel One Touchブランド)とZTEが、QualcommのSnapdragonプロセッサを搭載したFirefox OS端末を開発する計画を表明した。最初のFirefox OS端末は、2013年前半にブラジルにおいてTelefonicaがコンシューマ向けブランドVivoで発売する予定だという。

Firefox OSでは端末のすべての機能をHTML5アプリで開発できる。ネイティブなアプリと、Webブラウザで動作するWebアプリの区別がない。Telefonicaはこのコンセプトに賛同し、電話機能(電話、メッセージ、ゲームなど)をHTML5アプリで構成した新しいスマートフォンアーキテクチャを実現するために、今年初めにBoot to Geckoプロジェクトに加わった。

オープンモバイルOSの提供によって、Mozillaはより多くの人にスマートデバイスが浸透すると期待している。「エントリーレベルのスマートフォンに適したプラットフォームであり、また不要なミドルウエア層が介在しないため、モバイルオペレータはローエンドのスマートフォンから幅広い価格帯でリッチな利用体験を提供でき、発展途上市場における普及を加速させられる」(Mozilla)。Mozillaとパートナー企業は完全オープンなプロジェクトとしてFirefox OS端末に取り組み、必要なWeb APIのリファレンス実装をW3Cに提出する。