6月30日、都内のイイノホールでCJNによる設立記念チャリティフォーラムが行われ、同社の実施する"グランドジェネレーション"向け「予防医療」発想の新フィットネスクラブ事業が発表された。グランドジェネレーションとは「シニア世代」に変わる言葉として、脚本家で放送作家の小山薫堂(こやまくんどう)氏が提唱しはじめたもので、この世代が人生の中で「グランド=最上級」だという考えに基づいている。

予防医療の革新性を語る内川氏

国に依存しない新しい介護の形

同社は、会長を務める小西正行氏が1997年に設立したスペースアップからはじまった。2011年に社名をCONY JAPANに変更し、同年5月に新規事業本部を発足。福祉事業として、予防介護に特化したリハビリデイサービスの運営を開始した。

7年前から、老人ホームをやりたい・デイサービスをやりたい・福祉をやりたいという志はあり、それ形にしたのがCJNだという。

「2011年9月に機能回復型訓練型リハビリサービス1号店を大阪にオープンしました。40年後には日本人の4割が高齢者になる時代が来るというデータがあります、一人が一人の高齢者を支える時代が来るのです。社会保障給付費は、2025年には介護に必要な額は20兆円に達します」と代表取締役・内川昭彦氏。

そうしたなかで、国に依存しない介護の形を考えるべきではないかということにたどりついたという。同社では、健康に年を重ねるための予防であり、デイサービスでもスポーツジムでもない「予防フィットネス」いうものを発信していきたいとのこと。

内川氏は、「予防というものに対して、日本・世界に呼びかけていきたい。そして予防エクササイズをやっていきたいと思っております」と語った。

増加する社会保障給付費に警鐘を鳴らす内川氏

機能回復訓練型のデイサービス施設を運営する中で、「デイサービスはまだ早い」「でも、既存のフィットネスクラブでの運動も大変そう」といったユーザーの声があったという。

そこで同社は、身体に負荷をかける「運動」ではなく、楽しく心地よく、本来持っている機能の最大限を引き出す運動プログラムを目指したそうだ。予防介護の第一人者の一人である福岡大学スポーツ科学部教授・田中宏暁氏と、日本を代表するトータルフィットネスコーディネーターであり厚生労働省の「健康大使」を務める中尾和子氏監修のもと共同開発を行った。

予防医療の観点から、科学的かつ感覚的に人々の健康と美へアプローチし、人間が本来持っている身体の機能を、無理なく改善・向上させることを目的としている。

「予防フィットネス」運動プログラムの3つのポイント

同社の運動プログラムには、「楽しみながら身体を動かして機能を高める」、「一人ひとりに適切な『運動強度』を判定できるシステムを導入し、数々の研究から効果が科学的に立証された、常により効果の高いプログラムへと進化し続けている」、「『力を入れる』ことだけではなく、『力を抜くこと』『身体を整えること』からスタートし、身体を動かす軸となる、骨・関節・筋肉・神経を整えて本来の動きを取り戻し、より強くしなやかな動きができる身体をつくる」という3つの特徴があるという。

さらにアンチエイジングや加齢制御医学で有名な順天堂大学の白澤卓二教授が栄養学の観点から監修を務め、野菜ジュースや健康食品の販売をはじめ、食の方向からもトータルで健康をサポートする体制を整えていく。

また同社は、自治体と連携しながら、健康教室やイベントの開催などの地域に根差した活動の展開を視野に入れ、医療機関とも連携した、より多くの人に健康回復と維持を提供できる施設を目標としている。

「予防フィットネス」の解説にも熱が入る

増加し続ける社会保障給付費への対策

財務省の発表した統計によれば、社会保障給付費は国民皆年金・国民皆健康保険制度がはじまった昭和36年から平成23年までの間に、1兆円から105兆円にまで増加した。さらに平成37年には、141兆円に増加すると推計されている。そのうち介護にかかる給付費は9兆円から17兆円という、およそ188%増が見込まれている。

その対策として同社は、生活習慣病などのリスクを「予防」する習慣を広めることによる、国に依存しない予防介護の確立と、国の社会保障費の削減を掲げている。

「防」災、「防」犯などといった、危険やリスクをあらかじめ防ぐ風潮が高まるなか、生きる基本となる「健康」に関しても病気や障害を「予防」することが何より重要であり、超高齢化社会で日本を支える貴重な人財となる高齢者自身の健康維持をサポートすることが、個人にとっても地域社会にとっても明るい未来の礎につながるという。

同社は5年後の全国1,000店舗展開を目指し、今秋以降はコアフランチャイズの確立と、店舗間のネットワーク強化を実施していく。

事業展開を語る内川氏

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