ギリシャの再選挙で緊縮派が過半数を確保

6月17日に行なわれたギリシャ議会の再選挙では、反緊縮財政を訴えてきた急進左派連合が第2党にとどまる一方、ともに旧連立与党として緊縮財政を推し進めてきた新民主主義党(ND)が第1党に、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が第3党となりました。単独で過半数の議席を獲得した党が無いことから、今後、NDが連立政権の樹立に向けて各党と交渉を行なうことになりますが、ND主導の政府を支持する意向を示しているPASOKを合わせると、旧連立与党の合計議席で過半数を確保することが確実な情勢です。

連立交渉の行方を見守る必要はあるものの、ギリシャがユーロ圏から離脱する可能性が低下したとの見方などから、18日朝の東京市場ではユーロが先週末の1ユーロ=99円台半ばから100円台に大きく反発しているほか、日本株も2%程度の上昇となっています。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

今回の選挙結果自体は、5月の時とそれほど大きな違いは無いように見受けられるものの、(旧連立与党以外に)左派政党も連立に加わる可能性があるほか、反緊縮財政派の急進左派連合抜きでも連立政権を樹立する意向が示されている点が大きく異なり、連立交渉がまとまると考えられています。連立政権が5月の選挙時に誕生していればもっと良かったのですが、ギリシャがユーロ圏に留まるためには緊縮財政が必要であることなどを国民に納得させるうえでは、再選挙は不可欠だったのかもしれません。

なお、ドイツやフランスといった、ユーロ圏中核国が従来よりもやや寛大になる可能性はあるものの、EU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)などからの金融支援の条件となっている新たな予算削減策を早急にまとめる必要があるなど、ギリシャにとって厳しい状況が依然として続きます。経常収支および財政収支についても、赤字の削減にある程度の進展は見られるものの、まだまだ改善が必要です。ただし、世界景気が低迷する際に、緊縮財政を成功させるのはかなり困難なことであり、ギリシャのように所得格差の大きな国では特に難しいと言えるでしょうが、世界景気の回復・拡大ペースが高まれば、ギリシャでの問題解決に向けた動きも加速すると考えられます。

(民間の非公式調査の結果が伝わったことなどから)先週の15日の時点で、今回のような選挙結果はある程度、市場に織り込まれていたとみられるものの、公式結果を好感する動きが予想されます。ただし、ユーロ圏の危機的な状況がこれで終わった訳ではないことから、市場の楽観的な動きは長く続く訳ではないと考えられます。

(2012年6月18日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。→「フォローアップ・メモ

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