パイオニアは6月13日、AVアンプの新モデル「SC-LX56」「SC-2022」を発表した。発売は7月中旬。希望小売価格は、SC-LX56が175,000円で、SC-2022が118,000円となっている。

Class D「ダイレクト エナジー HDアンプ」を搭載したAVアンプ。左が「SC-LX56」で、右が「SC-2022」

SC-LX56は、2011年7月に発売された「VSA-LX55」の後継となる9.2chモデル。SC-2022は7.2ch対応モデルだ。

いずれも、2011年10月に発売された「SC-LX85」「DC-LX75」で採用されていたClass D「ダイレクト エナジー HDアンプ」を搭載しており、マルチチャンネル同時駆動でのハイパワー出力を実現している(SC-LX56は720W、SC-2022は630Wの同時出力が可能)。

ダイレクトエナジーHDアンプのコアとなっているのが、「Direct Power FET素子」。同素子は、ハイパワーというだけでなく、リード線などが廃されたシンプルな構造となっているのも特徴だ。これにより、基板上の回路を短縮し、ノイズを抑えだ、劣化の少ない信号伝送が可能となっている。また、高効率化により、スピーカーのインピーダンス適合の幅も広がり、今回から新たに、4Ωスピーカーに正式対応した。

基板のパターンのように見える部分が「Direct Power FET素子」

内部構造の解説図

4月に発表された「VSA-922」と同様に、「オートフェイズコントロールプラス」と「バーチャルスピーカー」技術を採用。オートフェイズコントロールプラスは、アンプ内だけでなく、ソースに由来する低域の遅れも自動で補正する技術だ。一方のバーチャルスピーカーは、「バーチャルワイド」「バーチャルサラウンドバック」「バーチャルハイト」「バーチャルワイド」に対応しており、5.2chのスピーカーを接続した状態で、11.2ch相当の音場を再現する機能。

SC-LX56ではさらに、「フルバンドフェイズコントロール」も搭載されている。フルバンドフェイズコントロールは、接続されている各スピーカーの位相特性や、各ユニットごとの時間のズレを揃える技術で、よりはっきりとした定位と広がりを実現する。

SC-LX56では、「Hi-bit32 Audio Processing」を採用。これは、音声信号の解像度を32bitまで拡張するもの。なおSC-2022にも、24bitまでの拡張を行う「Hi-bit24 Audio Processing」が採用されている。

両モデルとも、スマートフォンから操作を行うためのアプリ「iControlAV 2012」に対応。iControlAV 2012は、iPhone/iPad/iPod touch用のほかに、Android用もラインナップされている。また、ネットワークに対応しており、AirPlayやDLNA、インターネットラジオのポータルサイト「vTuner」にも対応している。

フロントのシーリングドア内には、HDMI端子とUSBポートなどが配置される

HDMI端子は、SC-LX56が入力8系統/出力2系統、SC-2022が入力7系統/出力1系統を装備。入力のうち、1系統はフロントパネルのシーリングドア内に装備される。またSC-LX56では、MHL(モバイル・ハイディフィニション・リンク)端子も採用。MHL規格対応のポータブルデバイスに保存された7.1chサウンドとフルHDの映像を、ケーブル1本で伝送することが可能だ。SC-LX56には、MHLケーブルも付属している。

両モデルとも、USBポートを2基装備。USBポートのうち、1基はフロントのシーリングパネル内に装備され、フラッシュメモリや各種ポータブルデバイスとの接続に利用できる。もう1基は背面パネルに装備されており、こちらは、オプションのワイヤレスコンバーター「AS-WL300」の接続用となっている。

本体サイズは2モデルともW435×D441×H185mm。重量はSC-LX56が15.4kgで、SC-2022が14.8kgとなっている。消費電力は、SC-LX56が330Wで、SC-2022が290Wだ。