キーマンズネットでは、2011年7月5日(火)~7月12日(火)にかけて「メールシステムとセキュリティ対策状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数:520)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の54.2%、一般部門が45.8%という構成比であった。
今回、お聞きしたのは「電子メール利用状況」や「被害を受けた電子メールに関連するトラブル」、「電子メールのセキュリティ対策状況」など、メールシステムとセキュリティ対策状況を把握するための質問。その結果、メールクライアントとして1番使われているソフトウェアは「Microsoft Office Outlook」、過半数の企業が「10MB~500MB未満」の範囲で容量制限をかけているものの、既に20%の企業が容量制限をかけていないことが明らかになった。
最初に、電子メールを業務用としてどの程度利用しているか尋ねた。その結果、1位は「ほぼ全社員が電子メールを利用している」で84.4%、2位は「一部の部署、一部の従業員が利用している」で14.7%、3位は「ほとんど利用してない」で1.0%となった。
また、1日あたりおよそ何通の電子メールを受信しているかも尋ねてみた。その結果、1位は「500通未満」で29.4%、2位は「1万通~5万通未満」で14.6%、3位は「1000通~5000通未満」で14.4%となった。これを従業員規模別で見ると100名以下では「500通未満」が64.1%でトップ、101~1000名以下では「1000通~5000通未満」が22.8%でトップ、1001名以上では「1万通~5万通未満」が21.2%でトップであった。
参考までにスパムメールがどれだけ流通しているのか確認するために、受信メール全体に占めるスパムメールの割合はどれくらいか尋ねてみた。その結果、1位は「10%未満」で38.2%、2位は「10%~30%未満」で21.2%、3位は「ほとんど受信することはない」で18.2%となった(図1)。実際には多くのスパムメールが飛び交っているものの、ユーザの手元まで届いているものはそれほど多くなく、メールサーバ側での対策が進んでいることが分かる。
次に、どんな電子メールシステムを導入しているか尋ねてみた。その結果、1位は「商用ソフトウェア」で56.7%、2位は「アプライアンス」で15.3%、3位は「クラウド/ASP」で14.5%となった。商用ソフトウェアが半数以上と圧倒的な導入率を誇っている。ただし、今後、クラウドサービスの充実により、オンプレミス型の比率が下がっていく可能性が高い。
また、標準環境ではどのメールクライアントを利用しているかについても尋ねてみた。その結果、1位は「Microsoft Office Outlook」で32.6%、2位は「Outlook Express/Windows Live Mail」で21.4%、3位は「Lotus Notes/Domino」で18.3%となった(図2-1)。マイクロソフト関連だけで過半数を超えている。これを従業員規模別で見ても「Microsoft Office Outlook」の利用率は高い。一方、「Lotus Notes/Domino」の利用率は企業規模によって大きく異なり、100名以下の企業では3%、1001名以上の企業では24.2%と、大きな差がついた。
更に、1ユーザあたりのメールボックス容量制限についても調べてみた。その結果、1位は「50MB~100MB未満」で20.7%、2位は「容量制限はない」で20.3%、3位は「10MB~50MB未満」で17.1%、4位は「100MB~500MB未満」で15.7%となった(図2-2)。これを企業規模別に見ると従業員数100名以下では「10~50MB未満」と「容量制限はない」、101~1000名以下では「容量制限はない」、1001名以上では「50~100MB未満」と「100MB~500MB未満」がそれぞれ1番多い結果となった。
なお、全体で見ると50%以上の企業が「10MB~500MB未満」の範囲で容量制限をかけている一方で、既に20.3%の企業が容量制限をかけていない実態が明らかになった。昨今ストレージにかかるコストが非常に低くなっていることから、今後更に「容量制限はない」の割合が大きくなるものと予測される。
次に、電子メールの利用に関する規則・ガイドライン等を設けているか尋ねてみた。その結果、1位は「社内規則・ガイドライン等を設けている」で69.9%、2位は「社内規則・ガイドライン等は設けておらず、検討もしていない」で17.8%、3位は「社内規則・ガイドライン等は設けていないが、検討はしている」で12.3%となった(図3-1)。「社内規則・ガイドライン等を設けている」を従業員規模別で見ると100名以下では34.9%、101~1000名以下では74.0%、1001名以上では90.6%となり、従業員数が多いほど電子メールの社内規則・ガイドラインを設けている比率が高くなる傾向がある。
また、電子メールに関するセキュリティ対策を実施しているかも尋ねてみた。その結果、「セキュリティ対策を実施している」が92.5%、「セキュリティ対策を実施していない」が7.5%となり、9割以上がセキュリティ対策を実施していることが分かった。 さらに、「セキュリティ対策を実施している」と答えた方を対象に「実施しているメールセキュリティ対策」について尋ねてみた。その結果、1位は「ウイルス対策」で96.2%、2位は「スパムメール対策」で78.1%、3位は「メール暗号化」で23.0%、4位は「メールアーカイブ」で22.4%、5位は「メール誤送信対策」で21.1%となった。
ウイルス対策やスパムメール対策の実施率が非常に高く、もはや電子メールの運用には欠かせないツールとなっている。メール暗号化、メールアーカイブ、メール誤送信対策はそれぞれ従業員数が多いほど導入率が高くなる。とくに1001名以上では101~1000名以下と比べて各項目とも10%以上の差が開いた。また、業種別に見るとIT製品関連業においては「メール暗号化」と「メール誤送信対策」が他業種よりも実施率が高く、すでに4割前後のIT製品関連企業で実施されている。
続いて、過去1年間に電子メールを経由した脅威の被害があったか尋ねてみた。その結果、1位は「被害はない」で56.8%、2位は「業務等に支障はないが被害はある」で25.0%、3位は「深刻な被害を受けており、業務等に支障がある」で1.0%となった(図4-1)。これを従業員規模別で見ると「業務等に支障はないが被害はある」は「1001名以上」の企業で32.4%を示し、「100名以下」の企業の17.4%に比べて15%ほど高くなった。また、「被害はない」は「100名以下」の企業で68.9%と高く、「1001名以上」の企業の44.9%と比べると24%ほど高い。従業員数が少ないほど電子メール経由の脅威の被害も少なくなる。
ただし、被害を受けてないと答えた方が多いものの、中にはセキュリティ対策が十分に機能した状態で運用していたおかげで、気づかないうちに脅威を回避しているケースも少なくないと思われる。
また、「深刻な被害を受けており、業務等に支障がある」「業務等に支障はないが被害はある」と答えた方に、「過去1年間に被害を受けた電子メールに関連する事件・事故・トラブル」について尋ねてみた。その結果、1位は「ウイルスやスパイウェアの感染被害」で64.9%、2位は「スパムメールによる業務効率低下」で63.4%、3位は「メールの誤送信による情報漏洩」で16.0%となった(図4-2)。「ウイルスやスパムウェアの感染被害」と「スパムメールによる業務効率低下」が全体の6割以上を占めており、その深刻度が伺える。
更に、電子メールに関して脅威と感じているものは何か尋ねてみた。その結果、1位は「ウイルスやスパイウェアの感染被害」で91.2%、2位は「メールの誤送信による情報漏洩」で81.9%、3位は「スパムメールによる業務効率低下」で66.8%となった。
実際に被害を受けた電子メールに関連するトラブルと比較すると、「ウイルスやスパイウェアの感染被害」はいずれも1位だが、2位に「メールの誤送信による情報漏洩」がランクインしており、実際起きたトラブルよりも高い順位となっている。業種別でみると、とくに「IT製品関連業」では「メールの誤送信による情報漏洩」に注意を払っていて41.4%と高く、2位「流通・サービス業全般」の31.6%よりも10%近く上回っている。
最後に、今後、電子メールに関するセキュリティ対策の強化を予定しているか尋ねてみた。その結果、「セキュリティ対策の強化は予定していない」が71.2%、「セキュリティ対策の強化を予定している」が28.8%となった。セキュリティ対策の強化を予定している企業を従業員規模別で見ると「100名以下」では25.0%、「101~1000名以下」では29.4%、「1001名以上」では30.8%と、従業員数が増えるほど高くなる傾向にある。
また、「セキュリティ対策の強化を予定している」と答えた方に「今後強化する予定の電子メールに関するセキュリティ対策」を尋ねてみた。その結果、1位は「メール誤送信」で50.0%、2位は「ウイルス対策」で41.2%、3位は「メール暗号化」で38.5%、4位は「スパムメール対策」で36.5%、5位は「メールアーカイブ」で19.6%となった。メール誤送信は、被害の実態としては少なかったものの1位に挙がっている。ウイルスやスパム対策は導入率が高く、現状で高い満足度を得られている。一方、メール誤送信に関してはまだ対策が浸透していないが、早目に対策を実施しないと深刻な被害をもたらす危険性が高いと認識しているところが多いようだ。
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