ギリシャの再選挙を控え、神経質な展開が見込まれるユーロ圏

ギリシャでは、5月6日に行なわれた総選挙で、従来、連立政権を組み、EU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)からの金融支援をとりつけ、その条件である緊縮財政を推し進めてきた2大政党が合計議席を大きく減らした一方、緊縮財政に反対する政党が躍進しました。ただし、政権を担うのに十分な議席を単独で獲得できた政党がなかったため、議席数上位3党を中心に連立が模索されたものの、緊縮財政を巡る見解の相違などから、連立協議は失敗に終わりました。このため、6月17日に再選挙が行なわれることとなりました。

こうしたギリシャ政局の混乱に伴ない、金融支援や同国の債務返済の先行きが不透明になっただけでなく、ギリシャがユーロ圏から離脱するとの観測まで高まり始めたことなどから、投資家がリスク回避姿勢を再び強め、足元でユーロが売られているほか、世界的に株価が軟調となっています。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

6月の再選挙が決まって以降の世論調査では、反緊縮財政派の政党がトップの支持を集めることもありました。ただし、再選挙は事実上、ギリシャがユーロ圏に残留するか、離脱するかの意思表示の場となること、さらに、世論調査でユーロ圏残留の意向を示す国民が多数に上ることを踏まえると、旧連立2大政党への反対票が5月の選挙時ほどは集まらないと考えられます。26日に公表された世論調査の結果では、緊縮財政派の政党の支持率が反緊縮財政派の政党を抑えて首位となっています。しかし、緊縮財政への国民の反感は非常に強く、再選挙の行方は結果が出るまで予断を許さない状況です。さらに、今回の再選挙の後も連立協議にもつれ込む可能性が高く、市場では神経質な動きが続くと予想されます。

ギリシャがユーロ圏から離脱する可能性は50%に満たないと考えていますが、実際に離脱に至れば、市場に動揺が見られることでしょう。ただし、離脱の可能性を市場は既にある程度織り込んでいると思われます。なお、ユーロ圏離脱が現実味を帯びる場合、ギリシャと同様に政府債務問題を抱える南欧の国々などに悪影響が及ぶ可能性が高まることでしょう。ただし、こうした事態の悪化が、独仏などのユーロ圏中心国に行動を促すきっかけとなり、金融安全網の強化が進むことなどが予想され、ユーロ圏離脱が南欧の国々などにまで拡がることは回避されると考えられます。一方、ギリシャ国民がユーロ圏残留を選択し、緊縮財政を受け入れる場合、リスク資産離れを見せていた投資家の動きに大きな変化が見られることでしょう。現在、ユーロは1ユーロ=1.25米ドル前後まで売り込まれていますが、ギリシャがユーロ圏にとどまることとなれば、弊社の6月末の予想である1.29米ドル前後へ反発するものと見込まれます。また、ユーロ圏の政府債務問題などに対する懸念がくすぶり続けるなか、資金の逃避先となってきた円を巡る環境にも変化が生じる可能性があります。

(2012年5月28日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。→「フォローアップ・メモ

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