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『猫絵十兵衛 ~御伽草紙~』(少年画報社刊)

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1位:猫絵十兵衛 ~御伽草紙~

4月の少年漫画1位は『猫絵十兵衛』。永尾まるによるこの漫画は、少年画報社発行の「ねこ」漫画を集めた『ねこぱんち』にて現在も連載中であり、同誌の看板作品。鼠除けの「猫絵」を描く絵師・十兵衛と、元猫仙人の怪猫・ニタのコンビを狂言回しとした大江戸・人情絵巻と言えばいいのだろうか。そこには、笑いや涙はもちろん、ねこ萌えあり、ツンデレあり、人情あり、そして何よりホロっとさせる物語がある。あらゆるねこを書き分ける作者の豊かな画力も凄い。登場するねこたちの生き生きとした人情ならぬ猫情……の虜になってしまう人も多いはず。"ねこ好き"にはもちろんだが、それ以外の人にも広くおススメしたい1冊。

『東京ラストチカ』(マッグガーデン刊)

2位:東京ラストチカ

2位には『月刊コミックブレイドアヴァルス』で2010年3月~11月まで連載されていた、みよしふるまち初作の『東京ラストチカ』。明治時代の子爵・光亨と使用人の津村花の恋愛模様を描いた王道ストーリーではあるものの、各人物の繊細な心情描写が情景や時代背景とうまく溶け込むと、物語に深く引き込まれることになる。シンプルだからこそ美しく見える、明治~大正・身分差ロマンスの隠れた名作。全2巻という読みやすさも○。なお、2巻には計18ページにも及ぶ、書き下ろしのエピローグも収められている。



3位:となりの関くん

『となりの関くん』(メディアファクトリー刊)

そして3位には、『月刊コミックフラッパー』で連載中の森繁拓真によるコメディ漫画『となりの関くん』。とある学校の最後列窓際に座る関くんは、いかなる授業においてもドミノ、折り紙、将棋、避難訓練、さらにはネコ……などさまざまな内職(遊び)に熱中し続ける。常に読者の予想を覆し、ナナメ上をいき、独特の美学で展開される彼の内職は、机上という小さな空間でありながらも、途方もないスケールで展開される。そして、忘れてはならないのが関くんと机を並べる、ヒロイン・横井るみの存在である。彼女の脳内ノリツッコミのレベルは異常に高く、それに魅入られた読者も多いだろう。男子の魅力というか、くだらないことに真剣になるという男子の"面白さ"を女子のフィルターを通して引き出した、日常系漫画の名作に数えられる作品。

以下は、4位に著:夏乃あゆみ、原作:かわい有美子による『暁の闇』、5位に木風巽による『君が妖は』、さらに7位には鈴木大輔作の人気ライトノベルのコミカライズ版『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』、9位にピロ式、蛍たかなの『アイリス・ゼロ』がランクインしている。4月の少年漫画トップ10は以下のとおり。

「Renta!」少年漫画月間ランキング(4月)

順位 作品タイトル 著者/原作者名
1位 猫絵十兵衛 ~御伽草紙~ 永尾まる
2位 東京ラストチカ みよしふるまち
3位 となりの関くん 森繁拓真
4位 暁の闇 漫画:夏乃あゆみ/原作:かわい有美子
5位 君が妖は 木風巽
6位 Vassalord. 黒乃奈々絵
7位 お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 著:緑青黒羽/原作:鈴木大輔
8位 断裁分離のクライムエッジ 緋鍵龍彦
9位 アイリス・ゼロ 蛍たかな ピロ式
10位 高杉さん家のおべんとう 柳原望