ゼットエムピー(ZMP)と日本マイクロソフトは、自動車の車載センサー情報の収集、解析、制御のための次世代技術やサービスの研究開発環境を、両社が連携して、自動車メーカーや部品メーカーなどの自動車関連企業、通信、IT関連企業等に提供することを発表した。

両社のセンサー技術やクラウドサービスなどを活用した最新の開発環境を構築するとともに、日本マイクロソフトの開発・検証施設である「マイクロソフトイノベーションセンター」内に設置し、開発者が利用できるようにするという。

また、ZMPはトヨタ自動車のプリウスをベース車両とした「RoboCar HV」の発売に伴い、マイクロソフトのクラウドサービスであるWindows Azure Platformと連携させた開発環境を提供する。

「RoboCar HV」

車載データとして、ベース車両のセンサー情報に加えて、ZMPが開発した車両の姿勢を計測する「IMU-Z」と「POSITION-Z」、人や車・障害物の距離画像を取得できる「RoboVision」、死角検知センサー「OpticalFlow-Z」等からの情報を収集し、それらの情報をインターネット経由でクラウド(Windows Azure)に保存し、保存された情報をSQL Azure上でデータベース化する。これにより開発者は、必要な情報を検索するだけで容易にその情報を利用できる開発環境を手に入れることができる。

モニタリングインタフェース

例えば、一般に自動車メーカーや部品メーカーが量産前の実車試験を行う際には、車載データ記録装置を使って走行終了後に記録したデータをコンピュータに移動して解析しているが、今回この車載データ記録装置の機能をクラウドに移すことで、開発者は場所を選ばず遠隔で解析でき、その結果を現場のスタッフに伝えたり、更新されたプログラムを実車に反映させたりすることが可能となる。

システム構成図

今後、クラウド上のデータベースの知能化が進展することで、実験時の異常や変化を自動で見つけ出し、その場で問題解決を行うこともできるようになるという。