Intelは5月14日(米国時間)、多様化するサーバ要件に対応することを目的としてXeonプロセッサ製品ファミリを拡充し、新たに「E5-4600ファミリ」、「E5-2400ファミリ」、「E3-1200v2ファミリ」の3ファミリ28製品を追加したことを発表した。

今回の3ファミリは現行のXeonシリーズを補完するもので、同社ではこれによりSMB向けに専用サーバの導入を促進できると期待しているとコメントしている。従来ラインアップとしてはハイエンド・ハイパフォーマンス向けに2/4/8ソケットオーバー対応のE7-8800/4800/2800ファミリが、メインストリームにはE5-2600がそれぞれ提供されてきたが、高密度実装の4ソケットサーバ向けに新たにE5-4600が、エントリーユーザー向けにE5-2400が加わり、E5シリーズとして予定されているすべてが出そろったこととなる。

現行Xeonファミリは、今回の拡充でミッションクリティカルな分野向けのE7ファミリ、汎用性や効率性と価格のバランスを意識したE5ファミリ、そして経済性を重視したE3ファミリに分けられるようになった

E5-4600/2600/2400の主な違いは、QPIの本数(4600/2600は2本、2400は1本)、メモリch(4600/2600は4ch、2400は3ch。DIMMとしては48/24/12)、PCI Express Gen3のレーン数、ソケットタイプ(4600/2600はLGA2011、2400はLGA1356)などとなっている。

E5-2400ファミリの概要

E5-4600ファミリの概要

一方の小規模ビジネスでの1台目サーバを狙うE3-1200v2はSandy BridgeからIvy Bridgeベースへと変更が施されたほか、PCI Express Gen3への対応やDDR3-1600のサポートなどが施された。

E3-1200v2ファミリの概要

また、今回の発表に合わせてIntelの日本法人であるインテルでは、データセンターの最適化に向けた取り組みとして、2012年3月7日のE5ファミリ発表時に披露したIntel Node ManagerとIntel Datacenter Managerに関する説明も行った。

Intel Node Managerは、消費電力の最適化などを実現する機能でチップセットのマネージャビリティエンジン内部に搭載されている。業界標準であるIPMIに則った実装でBMCと協調して動作し、プラットフォーム、インレット、プロセッサ、メモリの電力監視を行うほか、P&TステートのコントロールやCPU/メモリ制御、動的コア・アロケーションなどの機能も有している。Xeon-5500番台のころから同機能は搭載されていたが、Sandy Bridge世代となったE5ファミリなどではバージョンが2.0へと強化され、電力監視をより細かく行うことが可能となった。

Intel Node Managerの概要

ただ、同機能はあくまでハードウェアに搭載されたもので、それを活用するための管理用ソフトウェアが必要となる。Intel Datacenter Managerは、そうした管理用ソフトに統合して活用してもらうための開発キットで、データセンター内にあるすべてのノードを監視対象として認識し、グループレベルやラック全体といったモニタリングをNode Managerと組み合わせて詳細に行うことが可能で、例えばラック全体に対し、電力キャッピングを施して、電力を使いすぎないようにするといったことも可能である。

Intel Datacenter Managerの概要

なお、Datacenter Managerの配布は、各ソフトメーカーとの個別交渉によるとのことである。

E5-4600ファミリ各製品の性能概要

E5-2400ファミリ各製品の性能概要

E3-1200v2ファミリ各製品の性能概要