西日本旅客鉄道(JR西日本)と近畿車輛は10日、両社の業務提携について発表した。「車両トータル技術の向上」「車両開発のスピードアップ」「車両のコストパフォーマンス向上」をめざし、人事交流や車両の共同開発に取り組むとしている。

JR西日本の特急形車両287系(写真左)と、近郊形車両225系(同右)

両社は密接な取引関係にあり、特急形車両287系や683系、近郊形車両225系、223系、321系、521系など、近畿車輛で製造されたJR西日本の車両も数多く存在する。

業務提携締結に関して、両社とも技術協力関係の強化による「車両トータル技術の向上」を理由に挙げた。さらにJR西日本は「当社の路線ニーズに合致した安全かつコストパフォーマンスの高い車両の開発」を、近畿車輛は「事業基盤の強化・発展」を理由に加えている。今回の締結にともない、JR西日本が近畿車輛の株式の一部(近畿日本鉄道が退職給付信託に拠出しているもので、発行済株式総数の5%に相当する345万5,000株)を取得したことも発表された。

なお、近畿車輛は代表取締役の異動と役員人事の内定も発表。現在の代表取締役社長である櫻井紘一氏は取締役相談役となり、新たに森下逸夫氏が代表取締役社長に就任する。森下氏は1968年、日本国有鉄道に入社。西日本旅客鉄道の取締役、常務執行役員などを経て、現在はジェイアール西日本新幹線テクノス代表取締役社長を務める。近畿車輛は異動の理由について、「経営体制の強化のため」と説明しており、6月28日に開催される第100回定時株主総会およびその後の取締役会を経て決定される予定。7月1日付けをもって、同社は機構改革を実施する。