東日本大震災の影響で公開が延期されていた映画『のぼうの城』が11月2日に公開されることが8日、明らかになった。

映画『のぼうの城』
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同作は、和田竜が書き下ろしたオリジナル脚本をもとにした映画化作品。小説は40万部を越えるベストセラーとなり、第139回直木賞にもノミネートされている。天下統一を目前にした太閤・豊臣秀吉が、石田三成に2万の大軍をもって落とせと命じた忍城。その石田三成の水攻めに、"でくのぼう"と揶揄されていた長親が総大将に立ち、たった500名で迎え撃つというストーリー。当初2011年の9月公開予定だったが、劇中で描かれる水攻めが「時節柄上映するにはふさわしくない」との理由から、2011年4月に公開延期を発表していた。

今回、久保田修プロデューサーは「野村萬斎さん演じる成田長親が仲間達と共に、圧倒的な豊臣軍と戦う様を描いています。その彼らの原動力は『誇り』ではないかと私は考えています。不条理・不合理な状況を安易に受け入れることなく、きちんと納得できるまで戦い抜く。そんな誇り高き彼らの姿は、必ずや皆さんに勇気と感動を与えると確信しています」として、公開を決断。企画から完成まで8年の歳月をかけたという大作がついに世に送り出される。

また、同作の主題歌をロックバンド・エレファントカシマシが担当することも決定。書き下ろし曲「主人公・成田長親に自分の心を投影し『ズレてる方がいい』というキーワードを得て、"ズレてる奴らのカッコよさ"を正面から歌い上げました」とボーカルの宮本浩次はコメント。主演の野村萬斎も「非常にストレートなロックで、『のぼうの城』から群像劇としての、大きなパワーを受けとっていただけたのではと感動しました。時代劇とロックがコラボして、時代を超える何かが現代にフィードバックされた瞬間のようにも感じられるエンディングの歌だと思います」と絶賛している。