Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは5月8日、次世代の無線機器開発に対応したRF標準信号発生器2シリーズ4品種の出荷を始めたと発表した。「MXG-Bシリーズ」のアナログ信号発生器「MXG N5181B」とベクトル信号発生器「MXG N5182B」と、「EXG-Bシリーズ」のアナログ信号発生器「EXG N5171B」とベクトル信号発生器「EXG N5172B」である。
アジレント・テクノロジーはこれまで、RF標準信号発生器のメインストリーム品として「MXG-Aシリーズ」(2006年発売)と「ESG-Cシリーズ」(2002年発売)を販売してきた。新製品は、両シリーズの後継品となる。
RF標準信号発生器は、無線受信機器のテストやRF部品の試験、局部発振器(ローカルオシレータ)の代替などに使われる。無線受信機器のテストでは、実際に存在するような受信信号を発生させたり、理想的な妨害波(ほかの無線システムからの妨害波や同じ無線システムで別のユーザーからの妨害波、建造物で反射した信号による干渉など)を発生させたりする。RF部品の試験では、理想的な変調信号をRF部品に入力して劣化などを測定する。局部発振器の代替では、位相雑音のきわめて低い理想的な正弦波信号を生成する。
これらの使われ方は既存のRF標準信号発生器と変わらないものの、最近ではデータ通信量の増大、多種多様な無線システムの林立、広帯域OFDM(直交周波数分割多重)技術の普及、レーダー感度の向上といった変化により、要求仕様がさらに高度なものへとシフトしている。具体的には、位相雑音の低減、広帯域化への対応、隣接チャンネルへのリーク低減、出力の増大、C/N比の向上といった要求の水準がさらに厳しい値へと変化した。「MXG-Bシリーズ」と「EXG-Bシリーズ」はこういった要求に応えたものになっている。
例えば位相雑音は「MXG-Bシリーズ」では-146dBc/Hzであり、既存の「MXG-Aシリーズ」が-121dB/Hzであったのに比べると、大幅に低くなった(いずれも周波数1GHz、オフセット20kHz、代表値)。またベクトル信号発生器での帯域幅は「MXG-Bシリーズ」で160MHzあり、既存の「MXG-Aシリーズ」が100MHzであったのに比べると、帯域幅がかなり広くなっている。
「MXG-Bシリーズ」と「EXG-Bシリーズ」の開発では、大規模FPGAの採用によるOFDM信号のリアルタイム生成、トリプルループPLLによる位相雑音の低減、ベースバンド信号用アクセラレータの開発による位相と振幅のリアルタイム補正、広帯域かつ低歪みのIQ変調ICの開発による160MHzへの広帯域化、6GHzの低損失アッテネータ(pinダイオード)の採用、といった要素技術を駆使した。
価格は構成によって異なるが、例えば「MXG-Bシリーズ」のベクトル信号発生器「MXG N5182B」(3GHzモデル)が209万8750円から、アナログ信号発生器「MXG N5181B」(3GHzモデル)が174万327円から、「EXG-Bシリーズ」のベクトル信号発生器「EXG N5172B」(3GHzモデル)が192万6288円から、アナログ信号発生器「EXG N5171B」(1GHzモデル)が80万2922円から、となっている。
「MXG-Bシリーズ」の主な仕様は以下の通り。出力周波数範囲は9kHz~3GHz/6GHz(オプションによって異なる)、周波数分解能は0.01Hz。最大出力は9kHz~10MHzが+13dBm(オプション1EA使用時は+17dBm)、10MHz~3GHzが+18dBm(オプション1EA使用時は+24dBm)、3GHz~5GHzが+16dBm(オプション1EA使用時は+19dBm)、5GHz~6GHzが+16dBm(オプション1EA使用時は+18dBm)である。本体の外形寸法は高さ88mm×幅458mm×奥行き508mm。重量はアナログ信号発生器「MXG N5181B」が13.6kg、ベクトル信号発生器「MXG N5182B」が15.9kg。
「EXG-Bシリーズ」の主な仕様は以下の通り。出力周波数範囲は9kHz~1GHz/3GHz/6GHz(オプションによって異なる、1GHzのオプションは「EXG N5171B」のみ)、周波数分解能は0.01Hz。最大出力は9kHz~10MHzが+13dBm(オプション1EA使用時は+17dBm)、10MHz~3GHzが+18dBm(オプション1EA使用時は+21dBm)、3GHz~6GHzが+16dBm(オプション1EA使用時は+18dBm)である。本体の外形寸法は高さ88mm×幅458mm×奥行き508mm。重量は「EXG N5171B」が13.6kg、「EXG N5172B」が15.9kg。
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