日本通信、相互接続料算定式でドコモを訴訟 - 過払い分8,000万円の求める

 

日本通信は4月19日、NTTドコモとの間で合意している相互接続料算定に関して、合意違反があったとして、東京地方裁判所に民事訴訟を提起したと発表した。2008年の両社の合意に反して、接続料を算定するための式を一方的にドコモが変更し、2年連続で合意違反を犯したため提訴にいたった、としている。

今回問題になっている合意は、日本通信がMVNOとしてドコモの回線を借り受ける際に支払う相互接続料に関するもの。2006年に接続を申し入れたが、当時は合意にいたらず、2007年には総務相に対して裁定を申請した。裁定では、サービスの設定、料金の設定、帯域幅課金という日本通信の要望が通ったが、接続料の具体的な金額や接続に関する技術的な部分は、両社の協議が不十分として、裁定されなかった。

日本通信とドコモの裁定の経緯。総務相の裁定は一部で、その後接続料なども合意に達した

このため、2008年には技術面に関して両社は合意。接続料の具体的金額では、総務相が接続料の算定式を協議して合意すること、その式に代入する数値はドコモが機密保持契約の元に開示するよう指針を出していたため、指針に従って協議し、合意にいたっていた。

この算定式は、基地局など、通信に必要な設備などの原価、ネットワークの容量といった数値を概算で代入。算定式自体は簡単なもので、原価もやや高めに算出されたものが使われている、と日本通信の福田尚久常務。こうして接続料が出され、ドコモは電気事業者通信法に基づいて約款に記載。これを日本通信が支払う形になっていた。

合意にいたった内容

合意にいたったのは、接続料を算定するための「単純な式」(福田氏)と、そこに代入する値。この値も協議して合意した、という

2008~2009年度に関しては、合意した算定式通りの接続料になっており、初年度は10Mbpsの帯域当たり1,500万円程度で、原価が下がる分、毎年接続料は低下している。

しかし2010年度になり、ドコモは合意した算定式とは異なる式で接続料を算出。接続料自体は減少したが、合意した式で算出したものより高額になっていたという。これに対して日本通信が抗議し、一時期差額分を支払わなかったところ、ドコモからは相互接続を切断するとの回答があり、日本通信では「顧客サービス継続のため、全額支払いを続けている」(上席執行役員・片山美紀氏)という。

この時も協議を続け、総務省の非公式な仲介も入ったが、そのまま接続料は継続し、さらに今年4月13日に2011年度の接続料が公開された。そこでも2年連続で合意違反の算定式が使われており、合意した算定式に「プラスアルファが付け加えられていた」(福田氏)という。

当初2年間は合意通りだったが、その後2年連続で合意違反の算定式が使われた、という

2010年度は、協議を続けてきたが、合意違反は解消されなかった。総務省の非公式の仲介では「いったん合意した内容に戻し、改定が必要なら改めて協議する」よう求めるものだったという

しかし、2011年度の接続料が公表され、問い合わせたところ、やはり合意した算定式を使っていなかった、という

その結果、訴訟提起にいたった

これを受けて日本通信では、当初の合意通りの算定式により算出された接続料を支払うことや、合意通りの接続料を定めた接続約款を総務省に届け出ること、過払い2年分の8,000万円程度を変換するよう求める民事訴訟を提起した。

福田氏は、ドコモ側の主張が変遷して反論が一定しないことや、ドコモにとっては少額である接続料の算定式の変更を行うことに対して首をかしげつつ、「1回(合意違反を)許してしまったら、どれだけでも(接続料を)変えられてしまう」(同)ことから訴訟にいたったと説明。日本通信にとっても過払い金は大きな額ではなく、現行の合意違反とされる接続料でも、経営に問題はないものの、今後のことを考えての訴訟であると話す。

三田聖二社長は、日本通信のようなMVNOは、「ドコモにとって言い刺激となるようなサービスを提供しなければ行けない立場」であり、日本通信は「ドコモと同じようなサービスは絶対にやらない。ドコモができないことを見つけてやろうとしている」と話す。そのためには、ドコモと同じ条件が必要で、一定以上のシェアを備える通信事業者に対するドミナント規制がある中で、ドコモが自由に算定式を変えられる状況には問題があり、相互接続料に関する合意の重要性を訴える。

日本通信のサービスに関しては、接続約款に記載された接続料を支払っている限り、ドコモ側は接続を拒否することができないため、「お客さまやパートナー様には絶対にご迷惑をかけない」と福田氏は強調する。

ドコモ広報部では今回の訴訟提起について、「ガイドラインに従って算定しており、(2011年度は)前年比で35%値下げしており、現在は原価割れしている。これまでも協議してきたが、(日本通信に)理解してもらえなくて残念。当局には公正な判断を期待している」とコメント。

ただ、これに関して福田氏は、「第二種指定電気設備制度の運用に関するガイドラインでは接続料算定方式を定めていない」と反論。原価に関しても「合意した算定式は概算式であり、実際の原価よりも高く算出される。2010年にドコモを不当廉売で訴えたときは、原価は低いことを主張していた」と説明する。

ドコモの主張と、それに対する日本通信の反論の一部。協議の中で、ドコモからは複数の主張がなされた、という

いずれにしても、算定式は現時点で非公開とされており、今後の動向は、実際の裁判での判断にゆだねられることになる。

左から、日本通信の三田社長、福田常務、片山執行役員

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