ルフトハンザの長距離路線機材の約6割に「FlyNet」を搭載。写真の機体はA340-300

ルフトハンザ ドイツ航空が機内ブロードバンドインターネット接続サービス「FlyNet」をスタートした。機内のインターネットサービスはアメリカ国内線など一部の区間でしか採用されておらず、今のところ日本発着の国際線でサービスを提供しているのはルフトハンザのみだ。

FlyNetは、無線LAN対応のPCやスマートフォンを使ってインターネットに接続できるサービスで、添付ファイル付きのメールの送受信や企業のVPN(社内ネットワーク)接続も可能となる。また、今年中には携帯電話やスマートフォンでのSMSやメール(MMS)の送受信、同期も利用できるようになる予定だ。

15分ごとにニュースが更新されるなど、新しい情報を提供するFlyNetのポータルは無料。ポータル経由でのインターネット接続時に料金がかかるしくみで、クレジットカードまたは同社のマイレージ「マイルズ・アンド・モア」のマイルでの支払いとなる。料金は、1時間ごとに加算(10.95ユーロまたは3,500マイル)、24時間使い放題(19.95ユーロまたは7,000マイル)のプランがある。24時間プランを選択すると、乗り継ぎ便を利用しても24時間内であれば乗り継ぎ後もFlyNetを利用できる。

FlyNetは、ルフトハンザの日本路線に就航するエアバスA380型機を除く全機材・全クラスで導入を開始。現在、機内でのインターネット接続サービスを提供、もしくは導入を予定している航空会社は前述の通りまだ少ない。ヨーロッパ方面への旅行や出張で機内でのネット接続を望むなら、同社しか選択肢はない。

機内ブロードバンドインターネット接続サービス「FlyNet」で、快適なネット環境を実現

なお、機内のインターネットサービスは2000年代半ばに航空機メーカーのボーイング社が「コネクション・バイ・ボーイング」を開発し、これをいくつかの航空会社が採用した時期があった。しかし、アメリカのビジネス旅客を中心に「機内くらい仕事に追われずくつろぎたいので、ネットのサービスはやめてほしい」との声が多く寄せられ、廃止されていった経緯がある。

最近はSNSなどリアルタイムでのネット利用が一般化し、当時とは事情が違う。FlyNetはまさに時代に即したサービスといえよう。