Wine lets you run Windows software on other operating systems.

Wineプロジェクトが、Wineの最新版を公開した。Wineは、Windows向けのアプリケーションを他のOS上でネイティブに動作させることを目的に開発されている互換レイヤ。公開されたのは最新の安定版「Wine 1.4」で、2010年7月に公開されたWine 1.2より20ヵ月が経過している。

Wineプロジェクトは、メインの変更点としてグラフィックに新しいDIB (Device Independent Bitmaps)エンジンの採用と、再設計されたオーディオスタックをあげている。DIBグラフィカルエンジンを新しくすることでXサーバのレンダリング処理におけるオーバーヘッドを排除し、DIBを多用するアプリケーションのパフォーマンスを向上させている。また、オーディオスタックはWindows Vistaのモベルをベースに再設計が行われており、新しくなったMMDevAPIに加えて、WinMMAPIやDirectSoundが改善されている。

Wine 1.4では、1.2から1万6千以上にも及ぶ変更が加えられており、他にも国際化に向けて日本語のような縦書きフォントのサポートや双方向テキストのフルサポート、Microsoft Office 2010など新しいアプリケーションへの対応が行われている。また、Vistaスタイルのファイルダイアログ、組み込みWebブラウザ (Geckoベース)のActiveXサポートなども行われている。

WineはLGPLのもとオープンソースライセンスで開発されており、LinuxやBSD向けのバイナリパッケージやソースコードが無償で公開されている。