経理および監査、人事の各専門職の給料は、金融サービス会社が最も高い--。スペシャリスト人材紹介会社ロバート・ウォルターズ・ジャパンの「給与調査2012(Salary Survey 2012)」によると、これら専門性の高い職種については、金融サービス会社が最も高い給料を提示している。その他の専門職と比べて金融業界や商工業業界など異業種への転職が可能なため、機動性が高い職種と言えそうだ。

金融部門では給与は高めだが、雇用は限定的

金融サービス会社の給料は、商社やその他の事業会社と比較すると、概して20~30%高めだった。雇用が不活発な中、銀行や証券会社は経理や監査、生産管理の適任者の雇用に苦戦しており、有能な求職者を獲得するために総給与額は概ね柔軟に対応している。また、世界的な経済不安により、金融会社での雇用が制限され、多数の人事のシニアポジションがシンガポールや香港に移管される結果となった。

商社や事業会社により多くのキャリアチャンスが

M&A(買収と合併)により、商社や事業会社では、事業改革や給与構造の見直しを図るための給与・諸手当のスペシャリストや人事のシニアポジションの雇用が活発化。また、商業関係の中小企業や新興企業は、販売力拡大をサポートするため契約ベ ースの経理やサポートスペシャリストの需要が大幅に高まった。経理や金融、監査の職務経験のある求職者に対する商業および工業部門における給与の増加率は、10%未満に留まっている。

2012年の正社員の年棒

■金融サービス業

職種 年棒
内部監査役 650~900万円
税理士 750~1,400万円
管理部長 800~1,000万円
給与・諸手当のスペシャリスト 600~1,000万円
人事マネージャー 1,250~2,250万円

■商業・製造業

職種 年棒
内部監査役 700~900万円
税理士 700~900万円
管理部長 600~1,000万円
給与・諸手当のスペシャリスト 250~1,650万円
人事マネージャー 1,000~1,500万円

【関連リンク】

【コラム】給料日前に! お金がないときの楽しい腹ごしらえレシピ

【転職】人間関係や給料を転職理由にしちゃいけないって本当?

【コラム】給料の一部がサイコロで決まる!?不思議な会社「カヤック」訪問