Xilinxは、同社のエクステンシブル プロセッシング プラットフォーム(EPP)「Zynq-7000」がオープンソースLinuxベースの非対称型マルチプロセッシング(AMP)をサポートすることを発表した。これによりZynq-7000デバイスを適用できる領域を拡大することが可能になると同社では説明している。

リアルタイムシステムでは、イベントに対して一定の既定時間内に応答する必要があるが、要求されている応答時間が短くかつ安全性を確保した形で処理する必要がある場合、このタスクは困難な課題となり得る。これに該当するシステムの例として、オートモーティブのドライバアシスタンスや、制御ループにモータ制御と安全性監視機能を統合する次世代の産業機器制御システムなどが挙げられる。このようなシステムでは、複数のイベントを処理するのに伴って、それぞれにタイミング要件の異なる複数の応答が発生する。こうした課題に対応するためには、一方のプロセッサでマスタOSとしてのLinuxを動作させ、もう一方のプロセッサではより小型のRTOSを動作させることが求められる

今回のサポートはPetaLogixとの協力により実現されたものでZynqに搭載された2つのARM Cortex-A9間をRPMsgプロセッサ間通信(IPC)を用いることで、AMPシステムのインプリメントを簡素化することができ、それによるシステムソフトウェア開発者の構築容易性を向上させているほか、FreeRTOSのサポートにより、リアルタイム性が要求される分野への対応も可能となる。

なお、Zynq-7000 EPP製品のベータ版リリースは2012年3月を、一般リリースは同年4月が予定されている。