大日本印刷(以下、DNP)とアイデンティブは3月1日、今後の普及が見込まれる近距離無線通信の国際規格であるNFCに対応し、接触と非接触の両方のICカードが使える本人認証用リーダーライター「NDI711」 を開発したと発表した。

NDI711はNFC(Near Field Communication)に対応し、TypeA、TypeB、FeliCaなど、通信規格が異なる非接触ICカードを1台のリーダーライターで利用できる。そのため、TypeB準拠のIC運転免許証や住民基本台帳カードなどの情報を迅速に読み出すことができ、本人確認業務の負荷を軽減できる。

「NDI711」非接触時の利用例

「NDI711」接触時の利用例

また、DNP独自の部品内蔵基板技術を利用した超小型NFCモジュールの内蔵によって手のひらサイズの小型化(D118×W78×H22mm、重さは約100g)を実現し、電源はUSBポートから受電する等、設置スペースを気にすることなく運用できるようにした。

さらに、接触と非接触の両方のICカードに対応しており、複数のICカードで認証させるなど、セキュリティを高めた利用方法も可能となる。具体的には、携帯電話販売店で端末の故障を診断する際、内蔵の非接触ICの認証を通じて機器に内蔵されたデータへのアクセスや、端末に内蔵されているSIMカードを専用のカード型アダプタにセットして、接触ICカードとしてデータにアクセスすることもできる。

適用しているカードは、接触:ISO/IEC 7816準拠、非接触:ISO/IEC 14443 TypeA/B、FeliCa準拠。

今回開発したリーダーライターは、携帯電話販売店やレンタルショップでの申込み手続き、銀行での口座開設など、申込者の本人確認が必要な場合、店頭で運転免許証や健康保険証などの公的身分証の提示を受け、そのコピーを保管してデータベースへ登録するという業務で利用を想定している。

今後、両社は、NFCモジュールや端末の開発に加え、認証技術を中核として、NFC搭載スマートフォンを利用したサービス開発などを積極的に行い、NFCの商用サービスの立ち上げや市場活性化を推進していく。