パナソニックは、パワーデバイス(パワデバ)の駆動回路を半導体チップ上に実現する新駆動方式「Drive-by-microwave」を開発したことを発表した。
従来、パワーデバイスの駆動部は「絶縁電源」や「フォトカプラ」などの個別部品を組み合わせて実現されていたが、そのため半導体チップ上への集積化は不可能であった。今回の技術は、半導体基板上で5.8GHzのマイクロ波を使った非接触電力伝送を行なうことで、駆動部の半導体化を実現し、高速化、小型化を達成したというもの。
具体的には、従来の電力伝送周波数(1MHz)に対して、マイクロ波(5.8GHz)を用いることで、電磁界共鳴結合器の直径を1mから3mmに小型化。これにより従来に比べて電磁界共鳴結合器の上下の電極の間隔を広くできるため、信号のみならず電力まで絶縁を保持したまま伝送できるようになった。また、9.6kV以上の電圧に耐えることから、パワーエレクトロニクスデバイスのスイッチング駆動にも使用でき、従来異なる技術分野であったマイクロ波エレクトロニクスとパワーエレクトロニクスを融合(Drive-by-microwave)することが可能となった。
さらに、一部が切断された周回形状の共鳴器構造(バタフライ型電磁界共鳴結合器)とすることで、電磁界集中領域を形成、小型化を実現した。マイクロ波を用いて電磁界共鳴結合器を小さくすると共に、半導体一貫プロセスで作製可能なデバイスのみでゲートドライバ回路を構成した結果、ゲートドライバを半導体チップ上に通常の半導体プロセスを用いて集積化することを可能とした。
加えて、分離配線をポート間に設置することで、1つの電磁界共鳴結合器で2系統の信号の非接触電力伝送を可能にした。従来、立上りと立下りそれぞれに電磁界共鳴結合器が必要であったが、同構造を用いることで電磁界共鳴結合器の面積を1/2にした。
なお、今回開発された技術の一部は、2012年2月22日にサンフランシスコで開催された半導体の国際学会「ISSCC2012」にて発表された。
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