ギリシャ向け第2次金融支援について

ユーロ圏財務相会合は2月21日未明、EU(欧州連合)およびIMF(国際通貨基金)を中心とするギリシャ向け第2次金融支援で合意し、2014年までの期間での総額1,300億ユーロの追加支援を決めました。これを受け、ギリシャは、2011年でGDP比約160%におよぶ政府債務残高を2020年までに120.5%へ削減することをめざして改革を進めることになります。今回の合意を受け、ユーロは1ユーロ=1.320米ドル近辺から一時、1.329米ドル前後に上昇しました。

なお、第2次金融支援のもう一つの柱である民間債権者の関与(PSI:銀行などの民間債権者が、保有する債権の圧縮を通じて支援に協力すること)については、民間部門の保有する国債の額面を53.5%減免し、残った部分を、利回りを抑えて新たに発行される債券と交換するという条件で、ギリシャ政府等と民間債権者代表とが合意に至っています。今後は、個々の民間債権者がこの条件に応じるかどうかが注目されます。ギリシャ政府によると、民間債権者の債務交換プログラムは3月8日に開始され、3日後に完了する予定となっていますが、民間債権者の自発的な受け入れが政府等の想定を下回ることとなれば、同国の債務削減目標の達成が危うくなり、追加の対応が必要になると考えられることから、その行方が注目されます。

信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

ユーロ圏財務相会合がギリシャ向けの第2次金融支援で合意に至ったことは良いニュースであり、市場でもポジティブに捉えられる可能性があると考えられます。もちろん、民間債権者が債務交換の条件を受け入れるかどうかや、ギリシャが財政の緊縮目標を実現できるかどうかなど、投資家が今後も注視すべき問題は残っています。このため、一連の支援とギリシャの債務削減は上手くいかないとみる向きが多いことも事実です。ただし、一連の支援などによりギリシャの債務負担は当面下がり、同国は財政改革をスタートすることが可能となります。弊社では、ギリシャの財政改革成功の鍵を握るのは、他の南欧諸国等と同様、民営化の進展だと考えています。

今回の合意により、世界の投資家にとって、欧州に関する懸念はかなり減ったことになると考えられます。欧州諸国は既に財政改革の途上にあります。同改革は国民の痛みを伴ない、それもかなりの時間を必要とします。ただし、今回の危機の発端となった南欧諸国等では、経常赤字が劇的な改善を見せ始めており、純輸出が経済成長を下支えし、内需の軟調をかなり埋めています。こうした状況は、改革途上にある国々でよく見られる典型的なパターンです。欧州統合という試みに懐疑的な人々の多くは、ギリシャなどの経済の立て直しは、通貨ユーロからの離脱なしには不可能と言いますが、そうした見方は余りに悲観的と考えられます。なぜならば、欧州の団結にとって障害があれば、ECB(欧州中央銀行)の役割の拡大やIMFの関与など、新たな解決策が考えられ、そうした可能性を無視すべきではないからです。

欧州の政府債務問題に絡む危機は、同地域の統合を経済・通貨から政治、財政にまで拡大させるために必要であったと考えられます。政治・財政面での統合は決して容易なことではありませんが、なかでも最も困難な問題への取り組みが今回、動き始めた訳であり、残るのは具体策の履行のみです。

(2012年2月21日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。→「フォローアップ・メモ

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