ギリシャ支援を巡る交渉の行く末に関心が集まる

ギリシャに対するEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)などによる第2次支援を巡る交渉が正念場を迎えています。

財政危機に陥ったギリシャを支援するため、2010年5月、EUとIMFによる、公的支援(第1次支援)が合意されました。しかしながら、ギリシャの財政再建が計画通りに進んでいないことなどを受け、2011年7月のユーロ圏首脳会議では、同国への追加の支援(第2次支援)が合意されました。その後、ギリシャの財政状況のさらなる悪化を受け、同年10月の首脳会議では第2次支援の見直しが行なわれ、最終的には、EUおよびIMFなどが1,300億ユーロの公的支援を行なうことが決まりました。それに加えて、ギリシャ国債を保有する民間債権者にも負担が求められました。

民間債権者の負担とは、民間の金融機関や保険会社、投資家などが保有するギリシャ国債約2,000億ユーロの元本を大幅に減額したうえで、利率などの条件を見直した新たな国債に交換するなどして、民間債権者に1,000億ユーロ程度を負担させる計画のことをいいます。これによって、ギリシャは債務を削減し、GDP(国内総生産)に対する債務の比率を下げるのが狙いです。こうした計画についてはギリシャ政府と民間債権者の代表との間で大筋合意がなされており、現在、新たに発行する国債の利率などの詳細を詰めている段階にあります。

新しい国債の利率が、ギリシャ政府の主張する低い水準で決定すれば、この計画への民間債権者の参加率が低下し、ギリシャの負担削減が計画通りに進まなくなる可能性がある一方で、民間債権者が要求する利率では、ギリシャ政府による利払い費などの負担が大きくなる危険性があります。足元では、これらの条件が合意に近づいているとされていますが、仮に合意がなされた場合でも、個々の民間債権者がこの債務削減計画に応じるかどうかは、あくまで自発的な判断に委ねられており、多くの民間債権者の参加を得られなければ、第2次支援の実施条件の一つである「債務削減」を満たすことができません。民間債権者との交渉が続く中、民間ではないECB(欧州中央銀行)などが、保有するギリシャ国債の減額に協力する可能性なども報じられています。

ギリシャへの第2次支援の実施にあたっては、EUなどが求めている、公務員数や年金給付の削減、最低賃金の引き下げなど財政を立て直すための新たな財政緊縮策をギリシャ政府が受け入れることも前提条件です。ギリシャは3月20日に約145億ユーロの国債償還を控えていることなどもあり、第2次支援を受けることができなければ、債務不履行(デフォルト)に陥りかねない状況にあるとみられています。期限が迫る中、ギリシャ支援を巡る交渉の行く末に市場の関心が集まっています。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

(2012年2月9日 日興アセットマネジメント作成)

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