ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)最大手の米Facebookは2月1日(現地時間)、米証券取引委員会(SEC)に株式公開(IPO)の申請文書を提出した。上場は春頃になる見通しで、インターネット関連企業としては過去最大の株式公開になり、延いては米国の株式市場の活性化につながると期待されている。

SEC申請書類によると、主幹事はMorgan Stanley、J.P. Morgan、Goldman Sachs & Co.が務める。チェッカーシンボル(銘柄コード)は「FB」で、上場市場や日程、公開価格などは未定だ。書類上の希望調達額は50億ドルだが、これは登録料を算出するための推定値で、Wall Street Journalなどの報道によるとFacebookは100億ドル程度までの引き上げを視野に入れているという。時価総額は最大で1,000億ドルにのぼり、2004年のGoogle上場時の規模 (調達額16億7,000万ドル、時価総額272億ドル)を大きく上回る株式公開になりそうだ。同社の上場は幅広い注目を集めている模様で、申請文書提出が米国で報じられた直後、しばらくSECのWebサイトにアクセスできない状態が続いた。

Facebookは、現最高経営責任者 (CEO)のMark Zuckerberg氏が米ハーバード大学在学中の2004年に設立した。当初は大学生に限定してサービスを浸透させ、ユーザー層を拡大すると共にプラットフォーム戦略を打ち出すと、爆発的にユーザーが増加し始めた。申請書類によると、2011年末時点のマンスリーアクティブユーザー(MAU)数は8億4,500万人、Facebook上に1,000億を超える友だちのつながりが存在する。2011年の業績は、売上高が37億1,100万ドルで前年比88%増、純利益は10億ドルで同65%増だった。2011年末時点の従業員数は約3,200人。

なお、Zuckerberg氏はFacebook株の28.2%を保有しており、その価値は上場時に最大で280億ドルになる。